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2022年8月26日金曜日

けいれん重積型(二相性)急性脳症に予測的な脳波所見

・熱性けいれんでは特にけいれんが長時間に及ぶことがあり熱性けいれん重積と呼ばれていれう.
・熱性けいれん重積では特にその他の発熱とけいれん(重積)をきたす他の疾患との鑑別が重要となってくる.
・特に鑑別が重要となってくる疾患の1つとしてけいれん重積型(二相性)急性脳症(Acute encephalopathy with biphasic seizures and late reduced diffusion; AESD)が挙げられる.
・早期発見および早期介入が予後改善に寄与するか否かのエビデンスは乏しいものの, 早期に予測することは管理上は有用であると考えられる.
・そういった背景から熱性けいれん重積症例とAESD症例とを早期に鑑別する予測因子が探索され予測スコアが提唱されてきている(*1-3)が, 確立された精度の高い予測方法はいまだに存在しない.
・今回の研究では熱性けいれん重積とAESDの早期の鑑別に有用な脳波所見について検討している.


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けいれん重積型(二相性)急性脳症: 予測的な脳波検査所見



方法 (Methods)
・2009年1月から2017年8月までに愛知県の4つの大学病院と15の関連病院でAESDもしくは持続する熱性けいれん(Prolonged Febrile Seizurs: PFSs)のいずれかと診断された6歳未満の小児を対象とした後ろ向き研究

診断と定義
・AESDは以下を満たすものを定義した:
 ・発熱に伴う発作の出現
 ・数日後の群発する発作(二相目の発作)および意識障害
 ・二相目の発作後の頭部MRIの拡散強調画像での皮質下白質の異常高信号
・持続するけいれん(PFSs)は発熱により誘発された以下のいずれかのものと定義した:
 ・20分以上続くけいれん発作
 ・発作間で意識の回復がないけいれん群発(初回のけいれん発作の開始から最後のけいれん発作までをけいれん持続時間とした)
・てんかんの既往がある児や頭部MRIで異常があった児はPFSsから除外した.

脳波検査所見の評価
・すべての脳波検査は2人の小児神経専門医によって評価された.
・従って, 年齢とそれぞれのEEGの記録時期以外の臨床情報は盲検化され, それぞれ独立して評価した. 独立した評価ののち, 解釈の相違については合意のもので解決された.
・正常の基礎律動は以下のとおりとした:
 ・1歳未満: ≧5Hz
 ・1-3歳: ≧6Hz
 ・3-5歳: ≧7Hz
・基礎律動の非対称は半球間の振幅の差が50%以上と定義された.
・4Hz未満の徐波を異常な徐波(slowing)とした
・紡錘波は以下のように分類された:
 ・正常
 ・半球での減少: 反対側と比べて片側での紡錘波が70%以上減少
 ・消失
・速波(≧14Hz)は以下のように分類された:
 ・正常
 ・減少: 睡眠中に70%以上減少
 ・消失



結果 (Results)
・研究期間中, 発症後48時間以内に脳波の記録が行われたのはAESDの児22例, PFSsの児58例であった. このうち脳波のデータはそれぞれ14例, 31例を用いることができ, これらを対象とした.
・けいれん発作からEEG記録までの時間の中央値はAESDで15時間(四分位範囲 9-24時間), PFSsで16時間(四分位範囲 11-26時間)であった.
・発症時のけいれん発作の時間, 発症から脳波記録までの時間, 脳波記録時間, GCSはAESDとPFSsの児で明らかな差はなかった.
・脳波記録中に陳製薬や抗てんかん薬を使用した割合はAESDの児の方がPFSsよりも高かった(50% vs 13%, p = 0.020).

脳波検査所見
<覚醒時/刺激による覚醒中>
・覚醒/刺激による覚醒中の脳波所見はAESDの児9例(64%), PFSsの児23例(74%)でみられていた.
・基礎律動における異常や覚醒/刺激による覚醒中での徐波に関してはAESDとPFSsで明らかな違いはなかった.

<睡眠中>
・睡眠中の脳波所見はAESD 14例(100%), PFSs 29例(94%)で評価された.
・紡錘波の半球での減少や消失がみられる頻度はAESDの児の方がPFSsの児よりも高かった(71% vs. 31%, p = 0.021)
 ・陽性/陰性的中率はそれぞれ0.53, 0.83であった
・速波の減少や消失がみられる頻度はAESDの児の方がPFSsの児よりも高かった(21% vs 0%, p = 0.030)
 ・速波の減少や消失がみられた3例ではいずれも紡錘波の減少や消失も伴っていた.
 ・陽性/陰性的中率はそれぞれ1.00, 0.73であった
・すべてのタイプの異常な徐波(slowing)の割合はAESDとPFSsで明らかな差はなかったが, 持続的もしくは高頻度の異常な徐波(slowing)がみられる割合はAESDの方がPFSsよりも高かった(50% vs. 17%, p = 0.035)
 陽性/陰性的中率はそれぞれ0.58, 0.77であった
・AESD, PFSsのいずれも鎮静薬や抗てんかん薬が用いられた例があったが, その使用の有無で脳波所見に明らかな違いはなさそうだった.



結論 (Conclusion)
・脳波所見はAESDとPFSsの鑑別に有用かもしれない.
・睡眠中の紡錘波や速波の減少や欠損, および持続的もしくは高頻度の異常な徐波(slowing)は発熱に関連した持続的なけいれん発作を起こした小児においてAESDを示唆しているかもしれない


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・さらなる検証は必要であると思われるが, 両者の鑑別には有用となりえる知見ではないかと思われた.
・持続脳波モニタリングほどではないが, 早期の脳波検査の実施やその判読には施設間で差が存在すると思われるため, 今後使用していく上ではそういった課題となっていくかもしれない.


<参考文献>





2019年10月15日火曜日

2015年の熱性けいれん診療ガイドラインの発表前後での診療方針の変化

はじめに

・熱性けいれんは小児で最もよく経験されるけいれん性疾患である.
・日本では日本小児神経学会が2015年に熱性けいれん診療ガイドラインを作成している.
・熱性けいれんはよく経験される疾患であるものの, 日本ではガイドラインが1998年に発表されており(「熱性けいれんの指導ガイドライン」), それ以降長い間作成されてこなかった..
・2015年に新たな熱性けいれんに対するガイドラインが作成されたことで, ガイドラインに基づいた診療が行われ, その結果として診療方針に変化がみられたと考えられる.
・今回の研究では, 2015年のガイドライン発表前後での, 主に単純型熱性けいれんに対する診療方針について分析している.




Tanaka M, et al. The effect of the guidelines for management of febrile seizures 2015 on clinical practices: Nationwide survey in Japan. Brain Dev 2020; 41(2): 28-34.


日本における熱性けいれん診療ガイドラインと診療方針の変化について分析した研究

方法

・2016年9月に全512の小児科研修施設と全47都道府県の小児科医会にアンケートを送付した
 ・研修施設では幅広い年齢の3人の小児科医が回答した
 ・都道府県別の小児科医会は, 会長が10 人の開業医を選別した

・アンケートに関しては2パートに分けられた
 ・1つ目は熱性けいれん診療ガイドライン2015について知っているか・使用しているかについて
 ・2つ目は2013-2014年と2016年のそれぞれにおける熱性けいれんの管理方針について
・アンケートでは以下のような質問を行った:
 ・救急外来での初回単純型熱性けいれんの小児に対する腰椎穿刺, 血液検査およびジアゼパム坐薬の使用
 ・2, 3回の単純型熱性けいれんの既往のある2歳の小児における有熱性疾患罹患時の予防的ジアゼパム坐薬の使用
  ・再発の予測因子は不明の設定としている




結果

・1327 人(66.2%)から回答があった (そのうち977人が研修施設所属)
 ・1327人中1002人(75.5%)が小児科専門医であった
・1225人(92.4%)が熱性けいれん診療ガイドライン2015について知っていた
・726人(54.7%)が医療機関において熱性けいれんの患者の管理はガイドラインに基づいて行われていると回答した


管理方針の変化
・2013-2014年と2016年で, 救急外来での初回単純型熱性けいれんの小児に対する腰椎穿刺, 血液検査およびジアゼパム坐薬の使用割合はいずれも低下していた: (2013-2014年 → 2016年)
 ・腰椎穿刺: 2.0% → 1.2%
 ・血液検査: 61.3% → 53.1%
 ・ジアゼパム坐薬: 51.9% → 36.7%

・それぞれの回数の熱性けいれんのエピソードを持つ児に対して, ジアゼパム坐薬の使用を”強く推奨する”, あるいは”推奨する”と回想した割合は, 2013-2014年と比べて2016年にかけて低下していた:
 ・過去2回の既往あり: 45.7% → 31.0%
 ・過去3回の既往あり: 82.4% → 65.0%




まとめ

・熱性けいれんガイドライン2015は実臨床における熱性けいれんの管理に影響を与えているようである
・ジアゼパム坐薬の適応は過去のエピソードの回数のみでは推奨していないものの, 3回以上のエピソードがみられた患者に対しては使用される頻度は低くなかった




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補足
ジアゼパム坐薬(ダイアップ®)の適応
 熱性けいれん診療ガイドライン2015では, ジアゼパム坐薬の以下の適応基準を推奨している:
 遷延性発作(持続時間 15 分以上) または
または
次の i~iv のうち,二つ以上を満たした熱性けいれんが二回以上反復した場合:
i. 焦点性発作または 24 時間以内に反復する
ii. 熱性けいれん出現前より存在する神経学的異常,発達遅滞
iii. 熱性けいれんまたはてんかんの家族歴
vi. 12 か月未満
v. 発熱後 1 時間未満での発作
iv. 38℃未満での発作
 また, 地域の治療体制や家族の不安・心配も考慮するとしている.

 この基準に基づけば, 単純に熱性けいれんのエピソードが多いだけでは推奨された適応基準を満たさないことになる.
 もちろんけいれんのエピソードが多いことを理由にして予防的なジアゼパム坐薬の処方が考慮されることもあるかもしれず, それがすべて否定されるわけではない. 重要なことは回数のみで基準を作ってルーチンで予防的にジアゼパム坐薬を処方するのではなく, 適応基準を含めた総合的な判断のもとで個々に処方するかどうかを判断することの方が望ましいということである.

2019年9月2日月曜日

小児におけるつま先歩きと出生時の特徴との関連性

A Comparison of the Birth Characteristics of Idiopathic Toe Walking and Toe Walking Gait Due to Medical Reasons. J Pediatr 2016; 171: 290-3

はじめに

・小児において, 一時的につま先歩きがみられることは珍しくなく, 数%でみられると考えられている.
・言語障害や自閉症スペクトラム障害がある児などでみられやすいことが知られている一方, 特に神経精神学的に明らかな問題のない児において一時的につま先歩きがみられることがあり, 特発性つま先歩きと呼ばれている.
・特発性つま先歩きは遺伝的要因など様々な原因が考慮されているが, 十分には明らかなとはなっていない.
・つま先歩きに関しては様々な研究が行われているが, 出生時に関連した特徴との関連性は知られていない.






小児のつま先歩きと出生時の特徴の関連性に分析した研究

方法

・オーストラリアでの後ろ向き研究の診療記録レビュー
・2010年1月から2014年12月までの間で外来のつま先歩きクリニックを受診した小児のすべての診療記録は再検討した
 ・この外来クリニックは2010年に設立され, つま先歩きの児の多方面での評価と診断サービスを目的としている
・このクリニックでは児の出生時や医学的情報や発達の情報を確認するために両親へのアンケートを用いている
・一般的なオーストラリアでの周産期のデータは一般的な集団のデータを用いた




結果

・161人の診療記録を再検討し, 123人が対象となった
 ・除外となった38人は出生時のデータが不十分, もしくは診断が確定していなかった

・つま先歩きの児の内訳:
 ・特発性つま先歩き(Idiopathic toe-walking : ITW): 95人 (そのうち男児60人, 63%), 平均5.8歳
 ・既知の医学的理由があるつま先歩き(TWmr): 28人 (そのうち男児19人, 58%), 平均6.1歳
・既知の医学的理由があるつま先歩きにおける, つま先歩きに関連した診断:
 ・脳性麻痺 (3人)
 ・自閉症スペクトラム障害 (20人)
 ・その他の状態 (5人)


つま先歩きと周産期の状態との関連性
・ITWとTWmrはともに一般集団と比べて早産児であった割合が高かった(18% vs 17.9% vs 8.3%)
・ITWはTWmrと比べて介助を要した経膣分娩である割合が低かった (37.2% vs 48.0%)
・ITWは一般集団と比べて以下の割合が高かった:
 ・出生後の特別治療保育室(special care nursery : SCN)やNICUへの入院
 ・低出生体重児




まとめ

・ITWの児は一般集団と比べて, 周産期において低出生体重児や早産児であった割合が高く, 出生後に特別な治療のために入院していた割合も高かった

2018年12月12日水曜日

小児のヒトパレコウイルス3型感染症の臨床データと神経学的経過

Human Parechovirus 3 in Infants: Expanding Our Knowledge of Adverse Outcomes.
Pediatr Infect Dis J 2019; 38(1): 1-5


新生児・乳児早期でのヒトパレコウイルス3型感染症の臨床データと神経学的経過を評価したオーストラリアでの後ろ向き研究

 ヒトパレコウイルス3型(HPeV3)は新生児や生後3か月未満で敗血症様疾患や髄膜脳炎を引き起こし1), これらが注目されるようになってきている.
 急性期には主に易刺激性や頻脈, 発熱, 紅斑, 腹部膨満といった症状がみられやすいことが知られている2)3).
 フランスでの研究ではHPeV3による髄膜脳炎症例の約40%で神経学的後遺症を残したことが報告されている4). また髄膜脳炎症例だけでなく, 敗血症様疾患の症例でも神経学的後遺症を残す可能性があることがオランダの研究で示唆されている5).
 今回の研究では, HPeV3感染症のデータと神経学的経過について評価を行っている.




方法

・2013年11月から2016年6月までにオーストラリアのクイーンズランドで診断されたHPeV感染症の全症例が対象となった.
 ・PCRにて確認されたもので診断を行っている,
・様々なデータを診療録から後ろ向きに収集して検討した.
・発達に関する経過観察の時期や方法は標準化されていなかった.




結果

・対象となった症例は202例あった.
・HPeV PCRが陽性となった検体
 ・髄液 142検体
  ・臨床情報がわかる145例中104例(90.4%)で陽性だった
 ・その他の検体で臨床情報がわかる検体において:
  ・便: 検査を行なった63例中56例(88.9%)が陽性だった
  ・呼吸器: 検査を行なった29例中25例(86.2%)が陽性だった


臨床症候
・臨床情報がわかる145例で検討した
・入院時, 127例(87.5%)が生後3か月未満で, 54例(37.2%)が新生児(生後28日未満)だった
・33例(22.7%)がICUに入院した
・主な臨床症状と頻度:
 ・易刺激性: 94.5%
 ・頻脈: 88%
 ・哺乳不良: 87.6%
 ・発熱: 82.1%
 ・発疹: 74.5%
・14例(9.7%)は発症時から第3病日までにけいれん発作を起こした


経過
・145例中77例(53.1%)で, 急性期後4-12週間隔で一般小児外来での経過観察が予定された
・評価が行われたうち11例で神経発達的問題が特定された
・67例で聴力の評価が行われたが, 感音性難聴は1例もなかった
・神経学的問題がみられた児では. 新生児期に発症した, 症状としてけいれん・発熱・無呼吸みられた, あるいは早産の既往があった割合がより高いようであった.
・さらに神経学的問題がみられた児では, 急性期にICU入院や侵襲的呼吸補助や強心剤の投与を必要とした割合が高いようであった.


神経画像検査
・入院中に20例で頭部MRIが施行され, 15例で異常がみられた:
 ・もっとも頻度の高い所見は深部白質における拡散制限であった.
・頭部MRIで異常所見がみられた15例中, 7例では経過観察中に神経学的問題が特定され, 8例では問題はみられていなかった(経過観察期間は6-15か月)
 ・7例中5例では, 急性期以後の頭部MRIで継続して異常所見がみられた
・頭部MRIで正常だった5例中4例では経過観察中に神経学的問題はみられていなかった.

・頭部超音波検査は14例で施行され, 13例では異常所見はみられなかった:
 ・8例はその後頭部MRIが施行され, 7例で異常所見を認めた




まとめ

・HPeV3感染症罹患後, 神経学的問題がみられる症例は稀ではなかった
・急性期での頭部MRIで異常所見がみられた症例において, 経過観察中に神経学的問題がみられた症例が多くみられていた. ただその一方で異常所見がなかったうちでも神経学的問題がみられた症例も存在し, また頭部MRIが施行された例は限定的であったことなどから, さらなる検討は必要だろう.




参考文献
1) Human parechovirus infection, Denmark. Emerg Infect Dis. 2014; 20(1): 83-7
2) Human parechoviruses as an important viral cause of sepsislike illness and meningitis in young children. Clin Infect Dis. 2008; 47: 358-63
3) Human parechovirus 3 causing sepsis-like illness in children from midwestern United States. Pediatr Infect Dis J. 2011; 30: 238-42
4) Human parechovirus causes encephalitis with white matter injury in neonates. Ann Neurol 2008; 64: 266-73
5) Cerebral imaging and neurodevelopmental outcome after entero- and human parechovirus sepsis in young infants. Eur J Pediatr. 2017; 176(12): 1595-1602

2018年11月13日火曜日

ノロウイルスによる軽症胃腸炎関連けいれんの発生率と特徴

Incidence and characteristics of norovirus-associated benign convulsions with mild gastroenteritis, in comparison with rotavirus ones. Brain Dev. 2018; 40(8): 699-706

軽症胃腸炎関連けいれん(CwG)において, ロタウイルスが原因のCwGと比べた場合のノロウイルスが原因のCwGでの特徴などを検討した韓国での後ろ向き研究


胃腸炎に伴う無熱性けいれんを起こす病気のうちで, その他のけいれんの原因がないものを軽症胃腸炎関連けいれん(CwG)と呼ばれる.

ロタウイルスワクチン導入以前, CwGの原因としてはロタウイルスがもっとも多かった(40-50%)ことが数多く報告されている1).

しかし, ロタウイルスワクチンにはロタウイルスによる胃腸炎関連けいれんを減少させることが報告されており2), 以前の韓国の研究でもロタウイルスワクチン導入後, CwGの原因に占めるロタウイルスの割合が低下していることが指摘されている3).
その一方で, 相対的にノロウイルスが最も多い原因となっていることも示されている.

今回の研究では以前に最も多い原因であったロタウイルスによるCwGと, 現在最も優位となっているノロウイルスによるCwGを比較し検討している.





方法

・2014年3月から2017年2月までの間でChonnam National University Hospital (CNUH)に入院した生後3か月から3歳までのCwG患者の診療記録を後ろ向きに分析した
・CwGは以下の項目を満たすものと定義:
 ・急性胃腸炎症状を伴う無熱性けいれん
 ・低血糖, 電解質異常, 髄液検査異常がない
 ・発達は正常
 ・脳波検査(EEG)所見は正常か軽度な異常のみ
 ・脳画像検査正常
・ノロウイルスとロタウイルスによるCwGを比較するため, 2005年3月から2014年2月までの症例も合わせて検討した





結果

最近3年でのウイルスの検出状況
・2014年3月から2017年2月までの間で42人がCwGと診断されていた
・42人のうち40人(95.2%)で便検査が施行されていた
・40人のうち32人(80%)の便検体からウイルスが検出された:
 ・ノロウイルス: 27人 (67.5%)
 ・ロタウイルス: 3人 (7.5%)
 ・アデノウイルス: 2人 (5.0%)


ノロウイルスとロタウイルスによるCwGの臨床像の比較
・140人が対象となった: (原因ウイルスと人数は以下の通りだった)
 ・ノロウイルス: 44人
 ・ロタウイルス: 26人
・どちらのウイルスによるCwGも冬(12月-2月)に多くみられた
 ・ノロウイルス: 63.6%
 ・ロタウイルス: 46.2%
・春にみられる頻度はノロウイルスの方が低かった
・全CwG患者において, けいれん発症時に嘔吐は82.9%, 下痢は85.7%でみられていた
 ・ロタウイルスによるCwGと比べて, ノロウイルスによるCwGでは嘔吐がみられていた割合が高かった(97.7% vs 80.8%)
・消化器症状出現からけいれん発症までの期間はノロウイルスによるCwGの方がロタウイルスによるCwGよりも短かった(2.00±1.06日 vs 2.58±1.21日)

・けいれん群発は68.6%でみられ, ウイルス別ではノロウイルスによるCwGの時に頻度が高い傾向はみられた(p = 0.05)
 ・ノロウイルス: 79.5%
 ・ロタウイルス: 57.7%
・ほとんどの症例でけいれんの持続時間は5分未満だった


脳波検査(EEG)所見
・多くの症例ではEEG所見は正常であったが, ロタウイルスによるCwGと比較して後頭部徐波がみられる頻度はノロウイルスによるCwGで高かった(11.5% vs 34.9%)





まとめ

・CwG症例の便検体の多くからノロウイルスが検出された
・ノロウイルスが原因のCwGではロタウイルスによるものと比べて以下のような特徴があるかもしれない:
 ・春にみられる頻度が低い
 ・発症時までの消化器症状として嘔吐がみられている頻度が高い
 ・消化器症状出現からけいれん発症までの期間が短い
 ・脳波検査で後頭部徐波がみられる頻度が高い



参考文献

2018年10月9日火曜日

アセトアミノフェン坐薬と同じ発熱エピソードでの熱性けいれん再発を減らすかもしれない

Acetaminophen and Febrile Seizure Recurrences During the Same Fever Episode


同じ発熱エピソードにおける熱性けいれん再発とアセトアミノフェン坐薬の関連性を評価した日本での前向き非盲検無作為対象試験


方法

・市立ひらかた病院で2015年5月1日から2017年4月30日まで行われた


対象患者
・中枢神経系感染症を伴わない, 体温38℃以上の状態でけいれん発作を起こした熱性けいれんの6-60か月の患児が対象
・以下を場合には除外:
 ・今回の発熱ですでに2回以上の再発があった児
 ・15分以上けいれん発作が続いた児(熱性けいれん重積)
 ・てんかん, 染色体異常, 先天代謝異常, 脳腫瘍, 頭蓋内出血, 水頭症, 頭蓋内手術の既往がある児
 ・予防的にジアゼパムが投与されている児
 ・抗ヒスタミン薬が投与されている児
 ・下痢がみられる児


研究方法
・患者を無作為に以下の2群のいずれかに割り付けた:
 ・投与群: アセトアミノフェン坐薬 (10mg/kg)を6時間毎に24時間まで投与
  ・体温が38℃以上の場合に投与
 ・非投与群: 24時間までいずれの解熱薬も投与しない(プラセボも使用していない)









x

結果

・研究期間中に794人が受診して, そのうち438人が研究対象となった
・438人をアセトアミノフェン投与群(n=229)と非投与群(n=209)のいずれかに無作為に割り付けた
・438人のうち15人がプロトコールを遵守しなかったか経過を追えず, 最終的に423人の患者のデータから分析を行なった


・投与群と非投与群で患者の特徴などに差はみられなかった
・同じの発熱エピソード中の熱性けいれん再発の16%だった
 ・すべて最初の熱性けいれんから24時間以内に発生していた
・すべての年齢群で, 同じ発熱エピソード中の熱性けいれんの再発率は非投与群と比較して投与群で低かった(投与群9.1% vs 非投与群 23.5%)
 ・6-21か月: 投与群 13.2% vs 非投与群 24.3%
 ・22-60か月: 投与群 4.1% vs 非投与群 22.6%


・再発がみられた群ではみられなかった群として以下のような特徴がみられた:
 ・年齢が低い
 ・けいれん発作時間が短い
 ・アセトアミノフェン使用群の割合が低い
・最終的なロジスティック回帰分析で, アセトアミノフェン坐薬が同じ発熱エピソードでの熱性けいれん再発のもっとも大きな寄与因子であった


・下痢がみられた児60人のうち同じ発熱エピソードで熱性けいれんの再発がみられたのは35%で, アセトアミノフェン投与群および非投与群よりも高かった




まとめ

・アセトアミノフェン坐薬は同じ発熱エピソードにおける熱性けいれんの再発のリスクを低下させるかもしれない

2018年7月23日月曜日

軽症胃腸炎関連けいれんの再発を起こした例における神経学的評価


Clinical outcome of recurrent afebrile seizures in children with benign convulsions associated with mild gastroenteritis.
Seizure 2018; 60: 110-4


軽症胃腸炎けいれんと診断された児のうち, 無熱性けいれんを再発した児について評価した中国での前向き研究

背景

・軽症胃腸炎関連けいれん(CwG)はこれまで数多く報告されているが, 予後は良好なようである.
・これまでの報告では4.7-20%で再発がみられることが報告されている
・けいれん発作を再発している症例における神経学的予後などについては十分にはわかっていない




方法

・2009年10月から2014年12月までにCwGと診断された入院患者を登録した
・研究の対象とした児の基準:
 ・無熱性けいれんを起こした, それまで健康であった6か月-3歳の小児でのCwGの診断
 ・けいれん発作の発症は軽度の脱水(5%未満の脱水)を伴っていた
 ・胃腸炎の経過中に発生したけいれん発作
 ・臨床検査所見(髄液検査, 血清電解質, 血糖値)は正常
・その他の可能性のある病因を除外するため血糖値, 血清電解質, 腰椎穿刺, EEG, 頭部CT/MRIが施行された:
 ・EEGはけいれん発作の発症後1週間以内に行われた
・研究期間中に514症例がCwGで入院した. そのうち2年間以上経過観察できたのが481例で, うち37例(7.7%)が経過観察中に無熱性けいれんを起こして, 今回の分析の対象となった


分類
・児を以下の3種類に分類した:
 ・軽症胃腸炎に伴う無熱性けいれん(AS-GI)
 ・胃腸炎以外の感染症を伴う無熱性けいれん(AS-nGI)
 ・誘因のないけいれん(US)




結果

・37人の発症時の平均年齢は14.0±7.3か月, 男女比は2.7だった
・37人のうち6人でけいれん発作の家族歴を有していた
・初回にCwGと診断されていた時点での精神運動発達は正常であった
・37人は以下のように分類された: AS-GI 25例, AS-nGI 9例, US 3例


臨床的特徴
・初回の発作後3か月以内に2回目のけいれん発作がみられたのはAS-GI 44.4%, AS-nGI 44.4%, US 33.3%
・けいれん発作のタイプ:
 ・AS-GI:
  ・発症時, 再発時でともに強直性けいれんが最も多かった(48%, 64%)
  ・発症時, 再発時で群発発作がみられたのはそれぞれ56%, 72%であった
  ・発症時, 再発時でけいれん発作の持続時間はともに1-5分が最も多かった(48%, 72%)
  ・ほとんどの児は胃腸炎発症後3日以内にけいれん発作を起こしていた
 ・AS-nGIとUSでも上記の割合は同様であった
・5例で3回目のけいれん発作のエピソードがみられた


脳波検査所見
・初回発作時では3例(9.4%)のみで焦点性放電がみられたが, 再発時では27.8%で焦点性放電がみられた
 ・焦点性放電がみられた10例のうち2例では3回目の無熱性けいれんのエピソードがみられていた


抗てんかん薬(AEDs)
・6例のみでAEDsが投与された(レベチラセタム[LEV]かバルプロ酸[VPA], あるいはその併用)


経過観察
・経過観察期間は2-7年であった(中央値40.1か月)
・最終的な評価の時点では, 神経学的診察および精神運動発達は37人中36人で正常であった
 ・1例では言語発達遅滞がみられた
・AEDsを投与されていた6例中5例が2年間のけいれんのない期間を経てAEDsを中止できた
・1例のみがてんかんの診断基準を満たした




まとめ

・初回時・再発時ともにけいれん発作は1-5分の強直性けいれんが多く, 群発がみられることは多い
・ほとんどの症例では神経学的診察正常で精神運動発達も正常であった. またてんかんの診断基準を満たしたのは1例のみであり, 再発がみられた症例においても一般的には予後良好なのかもしれない.

2018年6月7日木曜日

ロタウイルスワクチン導入前後での, 米国におけるけいれん発作での入院率の変化

Trends in Rate of Seizure-Associated Hospitalizations Among Children <5 Years Old Before and After Rotavirus Vaccine Introduction in the United States, 2000-2013
J Infect Dis 2018; 217(4): 581-8


米国におけるロタウイルスワクチン導入前後での, 5歳未満のけいれん発作関連入院率の傾向を分析した後ろ向き研究
・米国48州とワシントンD.C.における入院データベースから情報を収集: データの都合上で分析は26州を対象とした
・分析はロタウイルスワクチンが導入される前の2000-2006年と, 導入後の2008-2013年のデータで行った
 ・2007年はワクチン摂取率が低く, 導入開始後1年間は一様ではないため除外




結果

・2000-2013年で5歳未満の小児において962899のけいれん発作での入院が分析された
・0-2か月が22%を占めてもっとも多く, 24-35か月(14.7%)がそれに続いた
・ワクチン導入前のけいれんでの推定年間平均入院率は388例/10万
・ワクチン導入後では入院率は1-8%低下していた
 ・導入後から時間が経過すると入院率の低下は大きくなっていた
 ・0-2か月と12-23か月の小児において, 2013年では2000-2006年と比べて14-16%低下していた
・月毎の分析では, ロタウイルス流行時期の方が入院率低下は大きかった

・時系列分析では2012年と2013年でけいれんでの入院の減少が示された
 ・特に12-17か月と18-23か月で減少していた




まとめ

・ロタウイルスワクチン導入により, 特に12-23か月の小児においてけいれん発作による入院は減少していた.


*注:
原文中では”seizure”としているものを”けいれん発作”と訳していますが, これはわかりやすくするためにそのように記載しています.
厳密には”seizure”はけいれん発作に非けいれん発作も加えたものを意味しています.

2018年4月27日金曜日

水痘ワクチンと小児脳梗塞との関連性についての検討

Is varicella vaccination associated with pediatric arterial ischemic stroke? A population-based cohort study.
Vaccine. 2018; 36(20): 2764-7

小児における水痘ワクチン接種と脳梗塞との関連性を分析したカナダでの後ろ向き研究

・水痘疾患は小児の脳梗塞の危険因子であることは知られている
・水痘ワクチン接種後の脳梗塞症例が報告されているため, 関連性を評価するため行われた後ろ向き研究
・ワクチンを接種していない児と比較して, 生後11-23か月で水痘ワクチンを接種した小児において, 接種後12か月までの脳梗塞のリスクを評価




結果

・368992人が対象となり, そのうち325729人が生後11-23か月の間に水痘を含むワクチンを接種していた
・研究期間中に全体で43人が脳梗塞で入院していた
・43人の詳細:
 ・ワクチン接種前の発症: 7人
 ・ワクチン接種後1年以内での発症: 25人 (そのうち5人は30日以内での発症)
 ・ワクチン接種後1年以降での発症: 5人
 ・ワクチン未接種: 6人
・脳梗塞の発生率はワクチンの接種児で7.8 (95%信頼区間[CI] 4.8-10.9)/10万人年, 未接種児で6.8(95%CI 1.3-12.2)で有意差はなかった
・ワクチン未接種児と比較した場合での, 接種児における脳梗塞のリスクを調整後のHRは接種後1年以内で1.6(95%CI 0.7-3.7), 接種後30日以内で1.6 (95%CI 0.6-3.0)




まとめ

・今回の後ろ向き研究では水痘ワクチン接種は脳梗塞の危険因子ではなかった
・今回の研究のみで確かめられたわけではなく, より質の高い研究が求められるかと思います.

2018年3月9日金曜日

ドイツにおける水痘ワクチンの自己負担なしのプログラム開始後の神経学的合併症

Decline of Neurologic Varicella Complications in Children During the First Seven Years After Introduction of Universal Varicella Vaccination in Germany, 2005-2011
Pediatr Infect Dis J 2017; 36: 79-86

自己負担なしの水痘ワクチンの接種プログラム開始後での水痘の神経学的合併症について分析したドイツでの研究


方法

・ドイツでは2004年7月に水痘ワクチンの1回接種が自己負担なしで接種できるようになり, 2009年7月に2回接種が自己負担なしで接種できるようになった
・2005年から2011年にかけてドイツのBavaria (ドイツの小児の16%が在住)の小児病院で入院した患者のうちで, 小児(17歳未満)の水痘の神経学的合併症を起こした患者について分析




結果

・地域の小児病院のうち61-78%が期間中にこの研究に参加した
・期間中に水痘で入院した患者は1263人であった
 ・水痘感染症の年齢の中央値は3歳(IQR 1-5)で, 55%が男児であった
・少なくとも1つ以上の特異的な合併症を呈して患者は75.5%いた
・神経学的合併症は水痘で入院した患者の18.1%で報告されていた
・神経学的合併症がみられた患者はそれ以外の患者と比較して以下のような特徴がみられた:
 ・年齢が高い(中央値 4歳 vs  3歳)
 ・慢性疾患を有する割合が低い(16% vs 23%)
・神経学的合併症の有無で入院期間に差はなかった(中央値 3日)


神経学的合併症のタイプと症状
・神経学的合併症が228人でみられた
・合併症: 熱性けいれん(32.0%), 脳炎or髄膜炎(28.9%), 失神(13.2%), 無熱性けいれん(11.0%), 顔面神経麻痺(2.6%), 大脳血管炎/脳梗塞(1.8%), その他の神経学的合併症(10.5%)
・脳炎or髄膜炎:
 ・62%は脳炎と診断され, 33%は髄膜炎と診断され, 5%は髄膜脳炎と診断されていた
 ・頻度の高い症状: 失調/協調運動障害(17%), 熱性けいれん(8%)
・失神:
 ・失神がみられた患者の年齢はその他の合併症の患者よりも高かった(中央値 7歳)


時間の経過による神経学的合併症の変化
・水痘に関連した神経学的合併症の発生率は2005年から2011年にかけて持続的に低下していた
 ・2005年と比較して2011年では約59%低下していた
・年齢別での神経学的合併症の発生率は0-7歳では低下していたが, それ以降では変化はなかった




まとめ

・水痘ワクチン接種により小児の特に7歳までの水痘の神経学的合併症は減少した




個人的感想


・水痘は様々な神経学的合併症を起こすことが知られています. 熱性けいれんなどの起こしても大きな問題とならないものも少なくないですが, 脳炎・髄膜炎など後遺症を残しうるものも少なくないです. また脳梗塞は水痘の急性期を過ぎたあとでもしばらく発症リスクを有する状態が続きます.
・水痘ワクチンは日本でも定期接種が開始となってから2回接種している児が増えたため, 今後神経学的合併症の減少していくことが期待できます.




関連記事

・以前に水痘の神経学的合併症症例について分析した研究を紹介していました

小児における水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)感染症と中枢神経合併症

Central Nervous System Complications of Varicella-Zoster VirusJ Pediatr 2014; 165: 779-85小児における水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)感染症の中枢神経合併症について調べた研究




2018年3月3日土曜日

小児のむずむず脚症候群

はじめに

むずむず脚症候群(Restless Legs Syndrome : RLS)は比較的頻度の高い睡眠に関連する運動・行動異常で, 主に下肢にみられる異常感覚を主訴とする疾患.
鉄欠乏との関連性が指摘されており, 治療として鉄剤投与などが行われることがある.





疫学

有病率
・一般集団の有病率は2.5-15%
・小児期では乳児期から認められ, 小児期全体では2%前後

性差
・女性に多いとされる一方, 小児期では明らかな男女差はないという報告もある12).

遺伝性
・特発性RLSの約40%に家族歴がある

危険因子
・その他の関連した要因:
 ・鉄欠乏
 ・妊娠
 ・透析中の腎不全
 ・ADHD:
・ADHD
 ・ADHD児の約25%にRLSがみられたとの報告もある
・RLSは肥満の小児でよりみられやすいとする報告がある11)





臨床症候

・何とも言えない不快な感覚が主に下肢に生じる
 ・安静にしていることで症状が増悪する
 ・痛みを伴うことがある
・脚を動かす, 叩きこする, 歩き回ることで症状が軽減する
・約10-20%の患者で上肢にも同様の症状がみられる
・小児患者の85%超で睡眠障害がみられるとする報告がある5)10)





臨床検査

血清フェリチン値(FER)
・FERとRLSの重症度が負の相関を示すとする報告がある4)
・小児RLS患者の約90%がFER≦50ng/mLであったとする報告がある5)
・別の報告では71%の患者がFER≦30ng/mLであった8)





診断

国際RLS研究グループ(IRLSSG)診断基準2012年改訂版
・以下の通り:
1. 主に下肢における不快な異常感覚により, 脚を動かしたいという強い欲求が生じる
2. 症状は, 臥床や座位のような安静時や非活動時に増悪する
3. 歩いたり下肢を伸ばすなどの運動により, 症状が改善あるいは消失する
4. 1日のうち夕方・夜間に発症, あるいは増強するという日内変動を有する
5. 上記の症状はほかの明らかな疾患や要因で起こるものではない





鑑別診断

・主な鑑別診断3): 成長痛, 運動チック, ADHD, 筋肉痛, 脚クランプ, Osgood-Schlatter病, 膝蓋骨性軟骨軟化症, 関節痛, 睡眠障害性呼吸(SDB), 周期性四肢運動障害(PLMD), アカシジア





治療

鉄剤投与
・FER≦50ng/mL以下の場合, 鉄剤投与の効果が期待できる
・日本人の報告でも鉄剤投与は多くの症例で効果的であった

その他の薬剤
・ドパミン作動薬やベンゾジアゼピン系が用いられることはあるが, いずれも保険適用外

誘発因子の除去
・カフェイン摂取や喫煙, アルコール摂取などが誘因となることがあるため避ける





予後

・ある報告では症状の改善や消失まで時間の中央値は3.8か月であった





<参考文献>

改訂:
2018/8/16: 参考文献10-11追加し, 内容を追加