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2022年1月4日火曜日

川崎病における爪の変化

川崎病は主に若年の小児でみられる原因不明の血管炎である. 全身性の汎動脈炎が生じることで全身に様々な臨床症候をきたし, 特に川崎病での診断に用いられる主要症状についてはよく知られている.

見られる頻度が高い主要症状以外でも, 比較的頻度の低い臨床所見を伴うことはあり, 「川崎病診断の手引き 改訂第6版」でも参考条項の欄に多数記載されている.(*1)

その中で爪に関しては「爪の横溝」の記載があるのみだが, 実際には様々な爪病変に関しても報告されており, 今回著者らはこれらに注目して症例報告と文献レビューを行う報告している.


Mitsuishi T, Miyata K, Ando A, Sano K, Takanashi JI, Hamada H. Characteristic nail lesions in Kawasaki disease: Case series and literature review. J Dermatol. 2021 Dec 16.



著者らは過去の報告をレビューして, 川崎病に関連した爪病変を以下の5つに分類している:

・Beau’s line: 爪を横切る小さな溝としてみられる. 爪の成長とともに移動する.

・爪甲白斑症: 爪甲における白色調の変化で, 全体的なものから部分的なものまでいくつかタイプがある

・爪甲脱落症: 爪母からの爪の自然剥離

・橙褐色のクロモニキア:  急性期や亜急性期の早期に観察される爪の色調変化(クロモニキア)で, 橙褐色となっているもの.

・巻き爪変形: 川崎病の亜急性期に観察される, 爪の長軸に沿ったカーブ状の変形. 四肢の末梢循環障害と関連していると考えられている.


これらの爪病変のうちで橙褐色のクロモニキアの頻度が最も高そうであると推定され, 著者らによる自験例3例も報告されている.

またそれらの3例中2例ではダーモスコピーの所見で爪床の点状もしくは線状の出血を伴っていたことも述べている.


川崎病でこれらの爪病変がみられる頻度は高くないと推定され, 実際に診断マーカーとして用いることができるかは現時点では不明である.

ただ川崎病を疑う際には四肢末梢の変化についても確認する必要があるので, その時に少しだけ爪の変化の有無についても確認すると興味深い所見が得られるかもしれない.


*1: 川崎病の診断の手引き 改訂第6版. 



2017年12月25日月曜日

川崎病で発熱以外の症状が持続する場合は冠動脈病変のリスクかもしれない

背景

川崎病(Kawasaki Disease : KD)は主に小児でみられる原因不明の疾患であり, 病態の中心は全身性の血管炎である.
KDでは様々な臨床症状がみられ, なかには比較的特徴的な症状も存在するが, 中でも発熱はその有無が治療の反応性の評価などに用いられている.
しかし時に治療により解熱したもののその他の川崎病症状が持続する例が存在することが知られている. こういった例の詳細に関しては十分知られていない.

今回の研究では, そういった発熱以外の川崎病症状が持続した例について分析している.




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川崎病の解熱後に発熱以外の症状が続く症例の評価を行った後方視的研究


方法

・研究期間:2008年4月1日から2009年3月31日
・国立成育医療研究センターにKDで入院した患者
・患者を以下のように2群に分けた:
 ・グループA: 発症後1か月で発熱以外の症状がみられた患者
 ・グループB: 発熱以外の症状の持続がみられなかった患者





結果

・IVIG治療が行われた77人のKD患者について分析
・77人を2群に分けたところ, 以下の通りであった:
 ・グループA: 12人(15.6%)
 ・グループB 65人(84.4%)
・グループ間のベースラインの臨床検査データおよび発熱期間については両群で有意差なし
. グループAの患者において, 持続した発熱以外の症状としては以下のものが頻度が高かった:
 ・口唇発赤(6人)
 ・眼球結膜充血(8人)
・発症後1か月で冠動脈異常(Coronary Artery Abnormality : CAA)を発症したのは割合:
 ・全体: 77人中7人(9.1%)
 ・グループA: 12人中4人(33%)
 ・グループB: 3人(4.6%)
・グループAでCAAを発症した4人のうち2人では発症後1か月でCRP値が正常よりも高かった(それぞれ2.9, 4.0mg/dL)
・グループAの患者3人とグループBの患者1人が解熱後にCAAを発症していた.





まとめ

・KDで発熱以外の症状が持続する場合には冠動脈病変のリスクかもしれない.

2017年12月20日水曜日

難治性川崎病におけるメチルプレドニゾロン静注と免疫グロブリン静注併用療法

The Clinical Utility and Safety of a New Strategy for the Treatment of Refractory Kawasaki Disease.
J Pediatr 2017; 191: 140-4

難治性と予測される川崎病(KD)におけるメチルプレドニゾロン静注(IVMP)と免疫グロブリン静注(IVIG)の併用療法, および第2-4の治療を組み合わせたプロトコールを評価した前方視的研究
・研究期間: 2007年4月から2016年4月
・施設: 北里大学病院
・Egami scoreで難治性と予測された患者には以下のようなプロトコールで治療を行った:
 ・第1治療: IVMP (メチルプレドニゾロン30mg/kg 2時間で静注) → IVIG (2g/kg/日)
 ・第2治療: IVIG (2g/kg/日)
 ・第3治療:
  ①6か月以上前にBCGを接種している: インフリキシマブ(IFX) 5mg/kg 2時間で静注
  ②上記に該当しない: 血漿交換(3日間) (補助的にIVIG 2g/kg/日)
 ・第4治療:
  ・①の場合: 血漿交換(3日間) (補助的にIVIG 2g/kg/日)
・それぞれの治療で, 投与後36時間で腋窩温≧37.5℃の場合, 次のステップの治療を施行
・診断時, 診断後1か月, 1年で冠動脈を評価
・Egami score: 下記のスコアの合計で3点以上を難治性と判断
 ・診断時年齢<6か月: 1点
 ・診断時の罹病期間<4日: 1点
 ・血小板数<30万/μl: 1点
 ・CRP≧8mg/dL: 1点
 ・ALT>80IU/L: 2点


結果
・365人のKD患者のうち71人が難治性であった
 ・年齢の中央値2.4歳 (範囲: 4か月-8.6歳)

治療経過
・71人中58人(81.6%)が第1治療に効果を示した
・13人中9人(69.2%)が第2治療に効果を示した
・第3治療は, 3人がIFXで1人が血漿交換で治療された

冠動脈異常
・診断時に71人中18人(25.3%)で冠動脈異常を認めた
・回復期での冠動脈拡張:
 ・診断後1か月: 13人
 ・診断後1年: 6人
・冠動脈瘤(CAA)を形成した患者はいなかった

IVMPの副作用
・主な副作用:
 ・一過性低体温(<36℃): 16例
 ・一過性高血圧(収縮期血圧>120mmHg): 5例
 ・徐脈(心拍数<60bpm): 2例


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・RAISE studyとは異なるアプローチでIVIG不応を予測してステロイドを併用する治療戦略であるが, 単施設研究でRCTではないため, どうしてもRAISE studyに比べるとパワーが物足りないように感じる
・second-line以降の治療もプロトコールに組み込まれているのが強みではあるが, 血漿交換が組み込まれていると急に敷居が高くなっているように感じられる

・RAISE studyにおけるプレドニゾロン投与がIVMPに置き換える事ができるのであれば有用性はありそうである(プレドニゾロンの投与期間が長いため)

2017年12月19日火曜日

川崎病患者の治療としてのインフリキシマブに関する日本での全国調査

Infliximab for the Treatment of Refractory Kawasaki Disease: A Nationwide Survey in Japan.
J Pediatr 2017 Dec 7

川崎病(KD)患者の治療としてのインフリキシマブ(IFX)の安全性と効果を調べた日本での全国調査
・日本国内274施設での調査
・研究対象期間: 2005年5月から2014年11月
・患者の性別, 年齢, 治療経過, IFX治療前後の血液検査結果, 冠動脈病変(CALs), 副作用(AEs)を評価


結果
・KD患者434人を分析
・年齢の中央値は33か月(1-138か月)で, 66人(15.2%)が1歳未満
・全例において, IFXは追加治療であった
 ・275人(63.4%)は3回目の治療として, 106人(24.4%)は4回目の治療として投与された. 
・IFXの開始時の病日の中央値は9日であった
・IFX 5mg/kg単回投与は412人(94.9%)の患者に対して行われた. 

臨床経過
・IFX投与後363人(83.6%)は2日以内に発熱を認めなくなり, 白血球数, 好中球比率および血清CRP値は有意に低下した(P<.001)
・119人(27.4%)は追加治療を受けた
・18のAEsが69人(15.9%)で観察されたが, 重篤なAEsは少なく可逆性であった

CALs
・IFX投与前, 132人(30.4%)はすでにCALsを発症していた
 ・IFX投与前にCALがあった患者32人(24.2%)はCAL重症度の増悪を示した. 
・IFX投与前にCALsのなかった患者のうち, 31人(10.3%)はIFX投与後に新たに発症した 


まとめ
・IFX治療は高い頻度で解熱を得られているが, その後に追加治療を必要とした例も少なくはなく, 投与群ではCALsの発症率も高い
・IFXの効果は期待できると思われるが, 難治例であることには変わりなく, IFX投与後でもCALs発症のリスクは低くないことには気をつけるべきであろう. 

2017年12月12日火曜日

川崎病ショック症候群(Kawasaki disease shock syndrome: KDSS)

川崎病(Kawasaki disease: KD)と毒素性ショック症候群(Toxic shock syndrome: TSS)の両者は時に似た臨床像がみられることが知られており, TSSでは名前の通りショックを伴う.
一方で川崎病においては, 第1選択の治療で用いられるγグロブリン大量静注療法(IVIG)に関連したショックはよく知られている.
ただ川崎病そのものに関連したショックは, 以前から日本で症例報告があったり8), 海外の研究で時に血圧低下などで集中治療を要する例があることを報告されていたが9), 一般的にはあまり認知されていなかった.

2009年にKanegayeらはIVIG治療前に低血圧, もしくはそれに関連する徴候がみられたKD症例が少ないものの存在することを報告し, Kawasaki disease shock syndrome (川崎病ショック症候群)(KDSS)という概念を提唱した1)
KanegayeらはKDに以下の所見のいずれかを満たすものをKDSSと定義した:1)
・年齢毎の収縮期血圧のベースラインから20%以上の持続した低下
・血圧の血流不良の臨床的徴候(発熱などのその他の状態が原因とならない頻脈, capillary filling time延長, 末梢冷感, 脈拍減弱, 乏尿, 精神状態の変化)

その後KDSSについて注目され様々な研究結果が報告されるようになり見識が深まっている.
ここではKDSSについていくつかの研究結果についてまとめている.





疫学

年齢
・典型的なKDと比べてKDSSの方が年齢が高い傾向があったとする報告もあるが6)11), 発症年齢に明らかな違いはみられなかったとする報告もある1)2).

性別
・一般的には川崎病では男性の比率がやや高くKDSSでも同様の傾向がみられたとする報告はあるが2)11)12), 逆にKDSSでは女児の比率が高かったとする報告もあり1)3)9), 一定の見解は得られていない

発生率
・KDSSの定義にやや違いはあるが, アメリカやイタリア, メキシコでの研究ではKD症例の5-7%が定義を満たしたと報告されている1)2)5)
・一方で, 中国・台湾での研究ではKD症例の1.23-1.9%がKDSSであったと報告しており3)11)12), 上記の国々と比べてやや低い可能性が指摘されているが, 実際にKDに占める割合が低いかははっきりしない.
・台湾での報告では, 5歳未満と比べて5歳以上のKDではKDSSの基準を満たした割合が高かったことが示されているほか12), 北インドでの10歳以上のKDを分析した研究では17.4%でショックを伴っていたと報告されている10). よって高い年齢での川崎病は高い症例ではより注意が必要かもしれない.
・日本での発生状況については不明な点が多く症例報告がわずかに存在する程度であった8)13). 2021年にSuzukiらが単施設での発生状況を報告しており, その研究ではKDSS症例はKD全体の1.1%でみられており, 発生率は他のアジア諸国からの報告と同程度であった14).

危険因子
・Kanegayeらの報告ではKDSSの症例ではショックを伴わない症例と比べて以下がみられる頻度が高かったと報告している:1)
 ・女児
 ・桿状核球の割合が高い
 ・CRP値が高い
 ・ヘモグロビン値や血小板数が低い
・また, 別の研究では以下の項目が危険因子として挙げられている3)
 ・好中球数が高く, 桿状核球の割合が高い
 ・CRP値が高い
 ・血小板数が低い
・桿状核球の比率やCRP値が高いことや血小板数が低いことは, IVIG抵抗性のリスク判断として用いられる群馬スコアにも含まれている項目である. 従って炎症が強く重症例で血圧低下を伴いやすいかもしれないが詳細は不明である.




原因

・血管炎による毛細血管漏出, 心筋機能障害, サイトカイン調節障害が原因として考えられているが, 明らかな原因は不明である3)4)




臨床症候・臨床検査所見

川崎病症状
・入院時には川崎病の診断基準を満たす臨床症候は揃っていないことが多く, 最終的にも不全型の頻度が相対的に高い可能性が指摘されている2)
 ・メキシコでの後ろ向き研究では, 入院時にtoxic shock syndrome (TSS)と診断された割合がもっとも高かった7)
・台湾からの9例の報告では, KDSSの77.8%は定型例であり, ショックを伴わないKDと同程度であったとしている3)
・皮膚症状がより強い傾向があることも示唆されている6)
その他
・消化器症状(特に腹痛・嘔吐)の頻度が高く, メキシコでの研究では11例のKDSSうち91%で何らかの消化器症状がみられていた(腹痛73%, 嘔吐73%, 下痢27%)2)
・後述の通り心血管障害が起こりやすいことが指摘されているほか, 不整脈も起こりやすい可能性も示されている6)

血液検査
・上記の危険因子で挙げられたように白血球における桿状核球の割合が高いことやCRP高値, 血小板数減少がみられやすいことが指摘されている.
・それ以外でもHb低値や低ナトリウム血症, 低アルブミン血症, BUN高値, 凝固異常を認める頻度が高い1)5)6)

超音波所見
・ショックを伴わないKDと比べてKDSS症例では左心機能障害や僧帽弁逆流を示唆する所見がややみられやすいことが示されている1)




管理

・多くの症例で輸液による蘇生やアルブミン製剤, 血管作動薬の投与を必要としている1)2)3)6)
・IVIGへの反応性不良の頻度が高いことも示唆されている1)3)




予後

・メキシコでの後ろ向き研究では死亡率は6.8%であった7)
・冠動脈病変に関しては一般的にKDと比べて発生率が高いとする報告が多く注意が必要だろう2)3)7)12).



<参考文献>
5) Describing Kawasaki shock syndrome: results from a retrospective study and literature review. Clin Rheumatol 2017; 36(1): 223-228.
6) Ma L, Zhang Y, Yu H. Clinical Manifestations of Kawasaki Disease Shock Syndrome. Clin Pediatr (Phila) 2018; 57(4): 428-435.
7) Gamez-Gonzalez LB, IMoribe-Quintero I, Yamazaki-Nakashimada M, et al. Disease Shock Syndrome: A Unique and Severe Subtype of Kawasaki Disease. Pediatr Int 2018; 60(9):781-790.
8) 加藤英子ら. 心原性ショックを呈した川崎病の1中学生女児例. 小児科臨床 2000; 53: 47-52.
9) Dominguez SR, Friedman K, Glodé MP, et al. Kawasaki Disease in a Pediatric Intensive Care Unit: A Case-Control Study. Pediatrics 2008; 122(4): e786-790.
10) Jindal AK, Pilania RK, Singh S, et al. Kawasaki Disease in Children Older Than 10 Years: A Clinical Experience From Northwest India. Front Pediatr 2020; 8: 24.
11) Li Y, Zheng Q, Lu M, et al. Kawasaki Disease Shock Syndrome: Clinical Characteristics and Possible Use of IL-6, IL-10 and IFN-γ as Biomarkers for Early Recognition. Pediatr Rheumatol Online J 2019; 17(1): 1.

<改訂>
2018/8/21: 参考文献6-7を追加し, その分の内容を追記
2020/4/30: 参考文献8-9を追加し, 全体的に文章を追記・修正
2020/5/8: 参考文献10-12を追加し, それに関わる内容を追記
2021/4/14: 参考文献13, 14を追加し, それに関する内容を追記

2017年11月21日火曜日

Henoch-Schönlein紫斑病(HSP)の腎障害に関連する危険因子

Risk Factors Associated with Renal Involvement in Childhood Henoch-Schönlein Purpura: A Meta-Analysis
PLoS ONE 2016; 11(11): e0167346

Henoch-Schönlein紫斑病(HSP)の腎障害に関連する危険因子を調べたメタアナリシス
・PubMed, Embase, Web of Scienceで検索
・すべての適応となる研究はNewcastle-Ottawa scale criteriaを用いて評価
・危険因子はオッズ比(OR)と加重平均の差(WMD)の報告を用いて分析


結果
・13の研究(2398人の小児)により20の可能性がある危険因子, および13の有意な危険因子が明らかにされた
・メタアナリシス後, 以下の危険因子が特定された:
 ・より年齢が高い(WMD 0.90)
 ・年齢>10歳(OR 3.13)
 ・男性(OR 1.36)
 ・腹痛(OR 1.94)
 ・消化管出血(OR 1.86)
 ・重篤な腸管アンギーナ(OR 3.38)
 ・持続的な紫斑(OR 4.02)
 ・再燃(OR 4.70)
 ・WBC>15×109/L (OR 2.42)
 ・血小板数>500×109/L (OR 2.98)
 ・Antistreptolysin O (ASO)上昇(OR 2.17)
 ・C3低下(OR 3.13)

・American College of Rheumatologyの基準に基づけば関節炎/関節痛は危険因子かもしれない(OR 1.41)

2017年11月10日金曜日

川崎病患者におけるアトピー素因

Atopic diathesis in patients with Kawasaki disease.
J Pediatr 2013; 163(3): 811-5

川崎病とアトピー素因との間の関連性を調べた研究
・5歳未満の川崎病患者200人と, 性別・年齢をマッチさせたコントロール800人とを比較
・アトピー素因: アレルギー性鼻炎, アトピー性皮膚炎, 喘息

結果
・いずれかの併存するアトピー性疾患のリスク上昇が川崎病患者でみられた(OR 1.61)
・アトピー素因のリスクは1-5歳の男児の患者で上昇していた(OR 3.02)
・60%以上の患者が川崎病の診断後にアトピー性疾患を発症していた


まとめ
川崎病患者, 特に1-5歳の男児の患者ではアトピー性疾患のリスク上昇がみられた

2017年10月19日木曜日

一次性血球貪食性リンパ組織球症とマクロファージ活性化症候群の鑑別のための診断的スコア

Development and Initial Validation of the Macrophage Activation Syndrome/Primary Hemophagocytic Lymphohistiocytosis Score, a Diagnostic Tool that Differentiates Primary Hemophagocytic Lymphohistiocytosis from Macrophage Activation Syndrome.
J Pediatr 2017; 189: 72-8

一次性血球貪食性リンパ組織球症(pHLH)と若年性特発性関節炎に関連したマクロファージ活性化症候群(MAS)とを区別するのに役立つ診断的スコアの作成およびその妥当性を調べた研究
・MAS患者362人, pHLH患者258人の臨床, 臨床検査, 組織学的データを収集
・80%の患者を用いてスコア(MAS/pHLH[MH]スコア)の作成を行い, 残りの20%の患者で妥当性を検討

結果
・MHスコアは6つの項目からなる:スコアおよび括弧内はカットオフ値
 ・発症時の年齢: 0(>1.6), 37(≦1.6)
 ・好中球数: 0(>1400), 37(≦1400)
 ・フィブリノゲン(mg/dL): 0(>131), 15(≦131)
 ・脾腫: 0(なし), 12(あり)
 ・血小板数(109/μL): 0(>7.8万), 11(≦7.8万)
 ・ヘモグロビン値(g/dL): 0(>8.3), 11(≦8.3)
・上記のスコアが11未満の場合, pHLHの診断の可能性は1%未満
・上記のスコアが123以上の場合, pHLHの診断の可能性は99%超
・pHLHおよびMASの上記のスコアの中央値はそれぞれ97, 12
・カットオフ値を60とすると, pHLHの診断における感度は91%, 特異度は93%

2017年10月12日木曜日

初期に川崎病と診断されていた全身型若年性特発性関節炎


はじめに

・川崎病は主に小児で発症する原因不明の全身性血管炎による疾患である.
・川崎病では典型的な症例では特徴的な所見が揃うが, 一部で他の疾患との臨床像がオーバーラップする部分があり, 特に不全型や非定型の川崎病においてはその他の病気と鑑別が難しいこともある.
・川崎病と臨床像が似る可能性がある病気はいくつかあり, 主なものとしてはエルシニア感染症, アデノウイルス感染症, 麻疹, 猩紅熱, 全身型若年性特発性関節炎, リウマチ熱,  Stevens-Johnson症候群, 毒素性ショック症候群が挙げられる.
・全身型若年性特発性関節炎は, 典型的には発症時に強い全身性炎症所見を伴い, 数週以上にわたり高熱が持続し, 紅斑性皮疹や全身のリンパ節腫脹, 肝脾腫, 漿膜炎といった臨床像がみられ, 一部で川崎病と臨床像が重複する部分がある.

・今回の研究では, 初期に川崎病と診断されたが, 後に全身型若年性特発性関節炎と診断された症例の特徴について分析している.





初期に川崎病(KD)と診断され, その後全身型若年性特発性関節炎(Systemic-onset Juvenile Idiopathic Arthritis: SoJIA)と診断された患者について評価した後方視的研究
・Nationwide Children’s HospitalとPediatric Health Information SystemでKDとして治療された患者を対象とした
・研究対象期間: 2009-2013年
・KDと診断されたあと6か月以内にSoJIAと診断された患者(pKD/SoJIA)を特定した評価
・pKD/SoJIA患者に関して文献的レビューを行った





結果

・KD患者が6745人特定され, 入院中に免疫グロブリン大量静注療法(IVIG)が行われていた
・患者6745人のうち, のちにSoJIAと診断された患者は10人(0.2%)いた
・KDの診断後6週以内で, IVIGの反復投与はKD患者群においては21.4%の患者で行われていたが, pKD/SoJIA患者群においては50%で行われていた
 ・両群間で有意差はみられなかった
・pKD/SoJIA患者はKD患者と比較して白人優位であった(90% vs 46.8%)
・pKD/SoJIA患者ではKD患者と比較してマクロファージ活性化症候群を合併する頻度が高かった(30% vs 0.3%)

これまでの報告のレビュー
・文献のレビューで15例のpKD/SoJIA患者が特定され, そのうち12例は不全型KDと初期に診断されていた
・pKD/SoJIA患者では結膜炎を認める頻度が低かった(3/15)
・発症時での平均発熱期間は13日
・47%の患者に心エコー上で冠動脈拡張がみられたが, 冠動脈瘤を形成した患者はいなかった




まとめ

・頻度は低いものの, KDと診断された患者の中にはSoJIA患者が含まれている可能性がある. 特にマクロファージ活性化症候群を合併した症例や不全型KDの症例では注意が必要だろう.




個人的感想

・川崎病は冠動脈病変を後遺症として残すリスクがあり, 早期の治療によりそのリスクが軽減されることから, 川崎病を強く疑った場合には川崎病の症状が揃っていない不全型の状態でも治療を開始することは少なくない.
・しかし, 川崎病の治療を開始したからといって必ずしも川崎病と確定してよいわけではなく, 特に川崎病の経過としてやや典型的ではない場合には他疾患の可能性も念頭に置いて診療を進めることが重要かと思われる.



改訂
2018/3/13: 一部追記

2017年9月20日水曜日

川崎病の早期の治療と, 心臓合併症および初期の疾患重症度との関連性

Cardiac Complications, Earlier Treatment, and Initial Disease Severity in Kawasaki Disease
J Pediatr 2017; 188: 64-9

川崎病の早期(1-4病日)の治療と, 心臓合併症, 初期の疾患重症度との関連性について評価した後方視的研究
・データは1997-2004年の日本の全国調査を用いている
・初期の重症度の代わりとして追加治療の投与を評価している
・早期の治療(1-4病日)とより遅い治療(5-10病日)された患者で層別化された

結果
・1997-2004年で64370人の患者が川崎病と診断された
 ・そのうち川崎病患者48310人が完全型か不全型川崎病の診断基準を満たし, 18歳未満で, 1-10病日でIVIG治療を受けており, 分析の対象となった
・48310人のうち14134人(29.3%)が1-4病日にIVIG投与を受けていた
・48310人のうち6442人(13.3%)が追加治療を受けていた
 ・追加のIVIGの投与は以下の項目と正の相関性を示した:
  ・巨大冠動脈瘤(オッズ比[OR] 15.36)
  ・いずれかの冠動脈瘤(OR 8.29)
  ・冠動脈異常(OR 3.71)
  ・主要な心臓合併症(OR 3.57)
  ・追加のIVIGの投与は早期のIVIG治療と関連性があった(OR 2.05)
・未調整分析では早期の治療はすべての主要な心臓合併症を含む心臓合併症のリスク上昇と関連していた(リスク比1.1)
 ・追加治療による層別化で疾患重症度を調整した場合, 冠動脈異常のそれぞれのカテゴリーにおけるリスク比は低下した
・すべての追加治療について調整すると, より早期のIVIG治療はすべての主要な心臓合併症に対して予防的となっていた


まとめ
より早期の治療は根本となる川崎病の疾患の重症度が原因の可能性が高く, 川崎病患者は可能な限り早期にIVIGで治療されるべきである

2017年8月31日木曜日

川崎病に対する免疫グロブリン静注にクラリスロマイシン内服を追加した治療

Clarithromycin Plus Intravenous Immunoglobulin Therapy Can Reduce the Relapse Rate of Kawasaki Disease: A Phase 2, Open-Label, Randomized Control Study.
J Am Heart Assoc 2017; 6: e005370


免疫グロブリン静注(IVIG)にクラリスロマイシン(CAM)を追加した治療を評価した日本での多施設オープンラベル無作為対照試験
・用語は以下のように定義した:
 ・relapse: 解熱後14日以内に発生した発熱
 ・recurrence: 解熱後14日以降に発生した発熱
・CAMは10mg/kg 分2 14日間 or 解熱後7日まで延長して投与した


結果

・81人の患者が参加して, IVIG+CAM 41例, IVIG単独40例に無作為に割り付けた
・患者は生後4か月から8歳までの範囲で, 登録時の発熱期間は4-8日であった
・発熱期間は両群で有意差はなかった
・その他, 両群では以下の点では違いはみられなかった:
 ・追加治療が必要であった症例の割合
 ・4週での冠動脈異常の発生率
 ・4週での右冠動脈近位, 左主幹冠動脈, 左前下行枝近位のz score
 ・1週, 4週での臨床検査結果
・IVIG+CAM群ではIVIG単独群と比較してrelapseの割合が有意に低かった(12.5% vs 30.8%)
 ・relapseの発生率と冠動脈異常の発生との間の関連性は発見できなかった
・IVIG+CAM群ではIVIG単独群と比較して平均入院期間が有意に短かった(8.9日 vs 10.3日)
・grade 3, 4の有害事象は両群で発生率に有意差はなく, 重篤な有害事象はみられなかった



まとめ

・IVIGにCAMを追加するとrelapseは減少して入院期間は短縮したが, その他は有意な違いはみられなかった



個人的感想

"relapse"の中には以下のものが含まれていると思われます:
・川崎病の治療後に再度発熱がみられ持続したもの(追加治療を要する)
・川崎病の治療後に一過性に発熱がみられたもの

 後者は他のある報告では"リバウンド熱"と呼ばれているものだと思われます(小児感染免疫 2016; 28(3): 139-43)
 同報告やその他の報告では, 川崎病症例の19-25%と低くはない確率で観察されており(Progress in Medicine 2009; 29: 1695-700), 確かに実臨床でも時折川崎病治療後(IVIG)に解熱して, その後一過性に微熱がみられることはあります.
 IVIG治療後に解熱して再度体温上昇がみられたものを広く"再燃"とする解釈することもでき, 再燃であると判断して追加治療を行うケースもあるかと思います.

 ただ, この"リバウンド熱"を認めた症例(n=56)で冠動脈病変の後遺症を残した症例はいなかったとする報告があり, 冠動脈病変発症のリスクではなさそうな感じです.
 そうなると, 今回のrelapseは有意に減少したが冠動脈病変の発生率に有意差はなかったのもうなづけますし, relapse症例では追加治療は必要なさそうな感じではあります.
 ただ, これらはまだ十分な研究が行われていないのが現状であるため, さらに質の高い研究が求められていると思います.



改訂
・2018/3/1: 個人的感想の内容を一部追記

2017年8月28日月曜日

Henoch-Schönlein紫斑病へのモンテルカスト追加治療は症状を改善させた

Add-on therapy with montelukast in the treatment of Henoch-Schönlein purpura.
Pediatr Int 2014; 56: 315-22

Henoch-Schönlein紫斑病(HSP)の標準治療にモンテルカスト追加治療を加えた場合の効果について調べた多施設無作為対象試験
・モンテルカスト追加群にはルーティンの治療にモンテルカスト3か月間投与を追加した
・効果はSeverity Scale Score (SSS)を用いて判定
・ 血液好酸球数, 好酸球カチオン蛋白質(ECP), IgE, インターロイキン(IL)-4, 5, 6, 8, 17, LTB4および尿LTE4を測定





結果


・患者130人が対象となり, 標準治療群と追加治療群とに分けた
・130人のうち46人が腎炎を発症した
・モンテルカスト追加療法では以下のような効果がみられた:
 ・紫斑, 腹痛, 便潜血, 関節炎, 蛋白尿と血尿を含めたHSP症状軽減
 ・入院期間短縮
 ・血液好酸球数, ECP, IgE, IL-4, IL-5, IL-6, IL-8, IL-17, LTB4および尿LTE4産生は減少
 ・3か月間でのHSP再発率が低下
・経過観察終了時での腎炎の転帰は変わらなかった

まとめ

・HSP患者にモンテルカスト追加治療を行うと様々な症状や臨床検査マーカーでは改善がみられ再発率も低下するかもしれないが, 腎炎の転帰に違いはみられなかった


2017年8月25日金曜日

日齢30-90でのエンテロウイルス髄膜炎と比較した髄液細胞数増加を伴う川崎病

Initial Characteristics of Kawasaki Disease With Cerebrospinal Fluid Pleocytosis in Febrile Infants.
Pediatr Neurol 2012; 47(4): 259-62

日齢30-90での川崎病患者とエンテロウイルス髄膜炎で入院した患者の臨床的・臨床検査的特徴を比較した韓国での後方視的研究
 ・

結果
・2年間で100人の患者で髄液細胞数増加がみられ, 6人は川崎病, 30人はエンテロウイルス髄膜炎であった
 ・2人の患者が完全に川崎病の診断基準を満たしたが, その他は不全型川崎病であった
 ・2人の患者は入院時発熱以外に川崎病の臨床基準のいずれも存在しなかった
・最終的に川崎病と診断された乳児の初期の特徴:(川崎群 vs エンテロウイルス髄膜炎群)
 ・入院までの発熱期間がより長い
 ・好中球絶対数がより多い(6520 vs 3685/mm3)
 ・CRP値が高い(4.65 vs 0.33mg/dL)
 ・膿尿がみられやすい
 ・髄液細胞数増加がより目立たない(8.5 vs 34.5)

・白血球数, 血小板数, ヘモグロビン値, ALT, AST, アルブミン, ナトリウム, 髄液生化学, 発疹の存在に有意差はなかった

2017年8月10日木曜日

発熱と頸部リンパ節腫脹を主訴とする川崎病の特徴

Lymph-Node-First Presentation of Kawasaki Disease Compared with Bacterial Cervical Adenitis and Typical Kawasaki Disease.
J Pediatr 2013; 162(6): 1259-63.e2

リンパ節腫脹が初発症状の川崎病(NFKD)と頸部化膿性リンパ節炎(BCL)とを鑑別するため, それぞれの特徴を調べる目的の前方視的研究




結果

・対象はNFKD 57人, BCL 78人
・BCLの患者と比較してNFKDの患者では以下のような特徴がみられた:
 ・年齢が高く, 診断に至るまでに受けた診察の回数が多く, 罹病期間が長い
 ・白血球数, Hb値, 血小板数が低い
 ・桿状型好中球数(ABCs), CRP, ALT, γ-GTP, 赤沈が高い
・多変量解析では以下の項目とNFKDに関連がみられた: 小さなリンパ節腫脹, 低い白血球数, 高いABCsとCRP
・NFKD患児では多発性に腫脹した充実性リンパ節と, 同程度の後咽頭浮腫を認めた





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Cervical ultrasound and computed tomography of Kawasaki disease: Comparison with lymphadenitis.
Pediatr Int. 2016; 58(11): 1146-52

川崎病(KD)と頸部リンパ節炎の鑑別のための超音波検査(US)とCTの所見についての評価を目的とした後方視的研究




結果

US
・それぞれの患者25人が対象
・頸部リンパ節炎の患者と比較してKD患者では以下のような特徴がみられた:
 ・"ブドウの房"外観が多い(64% vs 32%)
 ・辺縁不整が少ない(0% vs 36%)
 ・壊死が少ない(0% vs 32%)
 ・リンパ門の非視覚化が少ない(4% vs 36%)

CT
・それぞれの患者14人が対象
・頸部リンパ節炎の患者と比較してKD患者では以下のような特徴がみられた:
 ・咽後浮腫が多い(100% vs 29%)
 ・level 4のリンパ節腫脹が少ない(14% vs 79%)




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Early diagnosis of Kawasaki disease in patients with cervical lymphadenopathy. Pediatr Int 2008; 50: 179-83

発熱と頸部リンパ節腫脹のみの川崎病の早期診断のための指標を調べた研究




結果

・KD患者は14人が対象となり, 発熱とリンパ節腫脹を認め抗菌薬治療で改善した患者24人がコントロールとなった
・コントロールと比較してKD患者では以下のような特徴がみられた:
 ・年齢が高い
 ・好中球数, CRP, ASTが有意に高い
・以下のうち3項目以上満たす場合, KDの診断において感度78%, 特異度100%であった:
 ・年齢 5歳以上
 ・好中球数 10000/μL以上
 ・CRP 7.0mg/dL以上
 ・AST 30IU/L以上



まとめ

KDは早期診断が重要となるが, 発熱と頸部リンパ節のみを認める患者では頸部リンパ節炎との鑑別が困難となりえるため, 診断が遅れる可能性がある
疫学, 症状, 臨床検査, 画像検査のいずれでも有用となりえる指標があるため, それらを総合的に判断する必要はあるが:
・年齢が高い
・好中球数が多い, CRP高値, トランスアミナーゼ値上昇
・超音波検査での多発性の充実性リンパ節腫脹とCTでの咽後浮腫
を認める場合には特にKDの診断は積極的に考慮すべきだろう

2017年8月9日水曜日

川崎病と尿検査での白血球

いくらかの川崎病(KD)患者で無菌性膿尿を認めることがある




疫学

・様々な報告では, KD患者の43.5-79.8%で認めていた
・1歳以下の患者で最も頻度が高い




特徴

・平均尿中白血球数は尿路感染症以外の発熱を伴う疾患よりも高い
・尿道由来あるいは膀胱より上部由来のいずれもがありえると考えられている
 ・膀胱より上部由来のものでは軽度で潜在性の腎傷害により引き起こされていることが示唆されている
 ・無菌性膿尿は後の冠動脈病変発症の危険因子ではないと考えられている
・膿尿を認めるKD患者ではより炎症反応が強いことが指摘されている
 ・膿尿を認める患者では血液検査で赤沈, CRP, ALT, BUNが有意に高かった
 ・β2MGの有意な上昇は認めなかった
・KD患者75例に尿培養を行った報告では, 8例(10.7%)で細菌性膿尿を認めた
 ・尿路感染症の有無でKDの臨床経過などに差は認められていない



参考文献
1) Sterile pyuria in patients with Kawasaki disease originates from both the urethra and the kidney. Pediatr Nephrol 2007; 22(7): 987-91
2) Pyuria associated with acute Kawasaki disease and fever from other causes. Pediatr Infect Dis J. 2009; 28(5): 440-3
3) Association of Sterile Pyuria and Coronary Artery Aneurysm in Kawasaki Syndrome. Acta Medica Iranica 2011; 49(9): 606-11
4) Pyuria is not always sterile in children with Kawasaki disease. Pediatr Int. 2010; 52(1): 113-7
5) Clinical characteristics of Kawasaki disease with sterile pyuria. Korean J Pediatr 2013; 56(1): 13-8
6) Pyuria in patients with Kawasaki disease. World J Clin Pediatr 2015; 4(2): 25-9
7) Association of sterile pyuria and coronary artery aneurysm in Kawasaki syndrome. Acta Med Iran 2011; 49(9): 606-11

2017年8月7日月曜日

重症川崎病の小児におけるプレドニゾロンに関連した徐脈

Bradycardia Associated with Prednisolone in Children with Severe Kawasaki Disease.
J Pediatr 2017; 185: 106-11

重症川崎病におけるプレドニゾロン(PSL)に関連した徐脈を評価した後方視的研究
PSL+IVIG群とIVIG単独群とを比較した

結果
・PSL+IVIG群はIVIG単独群と比較して有意に徐脈の有病率が高かった(79.1% vs 7.1%)
・徐脈発症までの時間の中間値は63時間
・プレドニゾロンは2-7日目で心拍数を平均15.1bpm低下させた
・ロジスティック回帰分析で, 徐脈はPSL+IVIGへの反応性と関連していた(OR 7.2)

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川崎病に限らず, ステロイド治療(特にステロイドパルス療法)で洞性徐脈を合併することがあることは知られています。(http://pediatrics-memo.blogspot.jp/2017/03/blog-post_15.html)

2017年6月12日月曜日

持続する発熱とCRPが初回IVIG不応の川崎病患者に対するレスキュー治療の予測因子である

Fever pattern and C-reactive protein predict response to rescue therapy in Kawasaki disease. Pediatr Int 2016; 58: 180-4

・日本人を対象とした後方視的研究で, IVIGもしくはIVIG不応の高リスクに対してIVIG+PSLで治療された患者のうちで治療不応だった患者に対するレスキュー治療の反応性を予測する因子を調べた
・レスキュー治療としてIVIGもしくはIVIG+PSLで治療した患者を対象として, それ以外で治療された患者は除外された

結果:
・31.6%がレスキュー治療に不応であった
・群馬スコアは治療に反応した群としなかった群で差はなかった
・多変量解析で, 初回治療IVIG後に持続する発熱と, IVIG後のCRPが独立した予測因子であった
・IVIG単独治療も不応の予測因子であった