同じ発熱エピソードにおける熱性けいれん再発とアセトアミノフェン坐薬の関連性を評価した日本での前向き非盲検無作為対象試験
方法
・市立ひらかた病院で2015年5月1日から2017年4月30日まで行われた
対象患者
・中枢神経系感染症を伴わない, 体温38℃以上の状態でけいれん発作を起こした熱性けいれんの6-60か月の患児が対象
・以下を場合には除外:
・今回の発熱ですでに2回以上の再発があった児
・15分以上けいれん発作が続いた児(熱性けいれん重積)
・てんかん, 染色体異常, 先天代謝異常, 脳腫瘍, 頭蓋内出血, 水頭症, 頭蓋内手術の既往がある児
・予防的にジアゼパムが投与されている児
・抗ヒスタミン薬が投与されている児
・下痢がみられる児
研究方法
・患者を無作為に以下の2群のいずれかに割り付けた:
・投与群: アセトアミノフェン坐薬 (10mg/kg)を6時間毎に24時間まで投与
・体温が38℃以上の場合に投与
・非投与群: 24時間までいずれの解熱薬も投与しない(プラセボも使用していない)
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結果
・研究期間中に794人が受診して, そのうち438人が研究対象となった
・438人をアセトアミノフェン投与群(n=229)と非投与群(n=209)のいずれかに無作為に割り付けた
・438人のうち15人がプロトコールを遵守しなかったか経過を追えず, 最終的に423人の患者のデータから分析を行なった
・投与群と非投与群で患者の特徴などに差はみられなかった
・同じの発熱エピソード中の熱性けいれん再発の16%だった
・すべて最初の熱性けいれんから24時間以内に発生していた
・すべての年齢群で, 同じ発熱エピソード中の熱性けいれんの再発率は非投与群と比較して投与群で低かった(投与群9.1% vs 非投与群 23.5%)
・6-21か月: 投与群 13.2% vs 非投与群 24.3%
・22-60か月: 投与群 4.1% vs 非投与群 22.6%
・再発がみられた群ではみられなかった群として以下のような特徴がみられた:
・年齢が低い
・けいれん発作時間が短い
・アセトアミノフェン使用群の割合が低い
・最終的なロジスティック回帰分析で, アセトアミノフェン坐薬が同じ発熱エピソードでの熱性けいれん再発のもっとも大きな寄与因子であった
・下痢がみられた児60人のうち同じ発熱エピソードで熱性けいれんの再発がみられたのは35%で, アセトアミノフェン投与群および非投与群よりも高かった
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