ラベル 循環器 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 循環器 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2018年1月31日水曜日

小児の急性心筋炎および拡張型心筋症の診断前の臨床像

Pediatric myocarditis: presenting clinical characteristics
Am J Emerg Med 2009; 27(8): 942-7


急性心筋炎と拡張型心筋症(DCM)の小児患者の臨床像を検討した後方視的研究
・2か所の3次小児医療施設での10年にわたる急性心筋炎とDCMの小児患者(18歳以下)を対象とした後ろ向き横断研究
・患者はICD診断コードに基づいて特定された
・心毒性のある薬剤や先天代謝異常 , 奇形症候群, 神経筋疾患, その他の家族性症候群などのその他の原因によるDCMは除外




結果

・62人の患者でデータ分析が行われた:
・最終診断は心筋炎24人(38%), DCM(61%)
・患者の平均年齢は3.5歳(範囲: 6日-17歳)で, 男児47%, 女児53%


臨床像
・最終診断前の有症状期間の平均は7.6日(SD±13日)
・8人(13%)が死亡した
・32%でウイルス性の病原体が判明して, パラインフルエンザが8例(13%)で最も頻度が高かった
・受診時に認めた症状:
 ・息切れ(69%), 嘔吐(48%), 哺乳不良(40%), 上気道症状(39%), 発熱(36%), 無気力(36%)
・受診時に認めた身体所見:
 ・多呼吸(60%), 肝腫大(50%), 呼吸窮迫(47%), 肺の診察での異常(34%)
 ・66%の患者では心拍数は正常であった
・受診時の臨床検査データ:
 ・白血球数: 平均値11400/μl (範囲4100-34200)
 ・トロポニン: 13例のみで検査されていて, 54%で上昇していた
 ・CK: 22例で検査されていて, 73%で上昇していた
・心電図:
 ・施行された59例のすべてで異常所見を認めた
 ・異常所見: 洞性頻脈(46%), 心室肥大(41%), ST異常(32%), T波異常(31%), 脚ブロック(10%), 不整脈(8%), AVブロック(5%), QT延長(5%)
・胸部X線:
 ・施行された59例中53例(90%)で異常を認めた:
 ・異常所見: 心肥大(63%), 肺水腫(15%), 肺の浸潤影(5%), 胸水(2%)
・心エコー:
 ・61例中60例で異常所見を認めた
・心筋生検:
 ・6例で施行され, 5例は心筋炎の所見と一致した(1例は検体不良)


診断までの経過
・初期評価が行われた62人のうち, 52人では診断までに追加評価を必要とした
・初回評価時の診断:
 ・呼吸器感染症: 13例(25%)
 ・心疾患: 8例(15%)
 ・組み合わせた診断: 4例(8%)
  ・肺炎+心肥大3例, 先天性心疾患+心肥大1例
 ・その他の診断: 21例(40%)
 ・診断が不明: 12例(12%)
・2回目の評価時の診断:
 ・呼吸器感染症(肺炎): 5例(25%)
 ・心疾患: 4例(20%)
 ・組み合わせた診断: 2例(10%)
  ・肺炎+DCM 1例, 肺炎+心肥大1例
 ・その他の診断: 5例(25%)
 ・診断が不明: 4例(20%)




まとめ

・急性心筋炎やDCMの臨床像や検査所見は多様であり, いずれも他疾患と間違いうるものではある. その中で心電図所見に関してはほぼ全例で異常所見がみられることから, 急性心筋炎やDCMを考慮した場合には心電図検査を施行することがキーとなるだろう.
・他の文献で低血圧による症状(失神, けいれん発作, 無気力など)が2/3でみられることから, それらの症状が伴っていた場合には注意が必要だろう.

2018年1月10日水曜日

大動脈縮窄の女児例におけるTurner症候群の有病率

Turner Syndrome in Girls Presenting with Coarctation of the Aorta.
J Pedaitr 2015; 167: 1062-6

大動脈縮窄(CoA)を発症した女児におけるTurner症候群の頻度を検討した後方視的研究

・ユタ州全体の集団ベースコホートでの研究(Utah Birth Defects Network [UBDN]からのデータを用いた)
・研究対象期間: 1997-2011年
・通常Turner症候群でみられない先天性心奇形を伴うCoAは除外した
 ・大動脈二尖弁, ASD, VSD, transverse arch hypoplasiaは含めた
・通常Turner症候群でみられない心臓以外の奇形を伴うCoAは除外した


結果

・期間中に366023人の女児が出生し, そのうち244人の女児でCoAが発見された
・244人のうち77人の患者が基準により除外され, 167人の女児で分析を行った
・167人中86人で染色体検査が行われた
 ・21人(12.6%)が染色体検査でTurner症候群と診断された
  ・全員が生後4か月以内に診断されていた
  ・4人(24%)は出生前に診断されていた
・21人のTurner症候群患者のうち, 15人(71%)ではTurner症候群との関連が知られている器質的異常を有していた
 ・モザイク型の患者は完全型の患者と比較して合併する所見を有する頻度は低かった(3/6 [50%] vs 12/17 [70.6%])
・21人のTurner症候群患者のうち, 12人(57%)では大動脈二尖弁もみられていた


まとめ

・CoAを発症した女児がTurner症候群患者である頻度は低くはなく, またTurner症候群を示唆するその他の所見を伴っていない例も少なくない. そのため, CoAを発症した女児ではスクリーニングで染色体検査を考慮してもよいかもしれない

2017年11月14日火曜日

小児洞性徐脈の長期的予後と機序

Long-term Outcomes of Pediatric Sinus Bradycardia.
J Pediatr 2013; 163: 885-9

小児洞性徐脈の長期的転帰と機序について評価した研究
・432166人のelementary schoolの学生と高校生を対象とした検査で判明した洞性徐脈を有し、10年間経過観察された者が対象
・臨床経過, 心拍変動性, 過分極活性型カチオンチャネル(HCN4)遺伝子について評価した


結果
・全体で104人(0.025%)に洞性徐脈を認めた
・年齢は15.5±0.2歳, 平均心拍数は48.4±0.4拍/分
・86人(83%)の参加者が臨床的評価に応じ, 37人(36%)に対して臨床検査を行った
・37.8%は運動選手
・10年間で15人(17%)で自然回復した失神のエピソードを認めた
 ・致死的なエピソードはなし
・Holter心電図の記録では, 心拍数が30拍/分未満となったり3秒以上心拍が停止した参加者はいなかった
・67人の年齢と性別をマッチさせたコントロール群と比較して, 洞性徐脈群では心拍変動性が有意に大きく, 副交感神経活性がより強いことが示唆された
・遺伝子変異分析の結果では, HCN4遺伝子の変異を認めた者はいなかった


まとめ
小児洞性徐脈の転帰は良好であると考えられ, 副交感神経活性がより強いことが原因として推定された

2017年8月23日水曜日

小児における致命的な胸痛に対するスクリーニングの効果

Effectiveness of Screening for Life-Threatening Chest Pain in Children.
Pediatrics 2011; 128(5): e1062-8


非心原性胸痛と推定された患者の心原性突然死の発生率を調べた後方視的研究
・Children’s Hospital Bostonの外来を胸痛が主訴で受診した6歳以降の小児が対象となった


結果
・胸痛患者3700人のデータを再検討した(年齢の中間値: 13.4歳[7-22.3歳])
・経過観察期間の中間値は4.4年(0.5-10.4年)
・労作に伴う胸痛は33%で見られた
・併存していた症状: 動悸(22%), 呼吸困難(16%), めまい(11%), 失神(1.3%)
 ・失神が併存していた患者19人のうち15人(0.4%)は運動性失神であった
・心臓外来を受診する前に18%が救急外来を受診していた
・心原性の症例は37例(1%)認められた
 ・心原性の主な原因: 上室性頻拍(n=14), 心膜炎(n=10), 心筋炎(n=4), 右冠動脈異常(n=3)
・心原性以外の3663症例の原因:
 ・不明(n=1928) (52%)
 ・筋骨格系(n=1345) (36%)
 ・肺(n=242) (6.5%)
 ・消化管(n=108) (2.9%)
 ・不安関連(n=34) (0.9%)
 ・薬物関連(n=4) (0.1%)
・胸痛で救急外来を受診した患者は670人(18%)認められ, 263人(7%)は胸痛に関連して心臓専門医に経過観察目的で受診していた
・2例が自殺, 1例が特発性過眠症後腹膜出血で死亡していたが, 心臓関連で死亡した症例は認められなかった

2017年6月12日月曜日

持続する発熱とCRPが初回IVIG不応の川崎病患者に対するレスキュー治療の予測因子である

Fever pattern and C-reactive protein predict response to rescue therapy in Kawasaki disease. Pediatr Int 2016; 58: 180-4

・日本人を対象とした後方視的研究で, IVIGもしくはIVIG不応の高リスクに対してIVIG+PSLで治療された患者のうちで治療不応だった患者に対するレスキュー治療の反応性を予測する因子を調べた
・レスキュー治療としてIVIGもしくはIVIG+PSLで治療した患者を対象として, それ以外で治療された患者は除外された

結果:
・31.6%がレスキュー治療に不応であった
・群馬スコアは治療に反応した群としなかった群で差はなかった
・多変量解析で, 初回治療IVIG後に持続する発熱と, IVIG後のCRPが独立した予測因子であった
・IVIG単独治療も不応の予測因子であった

2017年3月16日木曜日

血管輪のある小児の評価

Assessment of children with vascular ring

Pediatr Int. 2017; 59: 134-40

手術を施行された血管輪の小児の後方視的評価を行ったstudy


Results:
・患者は21人, うち13人が男性
・診断時の年齢の中央値は12か月 (1か月-8歳)
・血管輪のタイプ:
 ・重複大動脈弓: 62%
 ・右側大動脈弓+動脈管索: 24%
 ・左側大動脈弓+異常右鎖骨下動脈: 10%
 ・肺動脈係蹄: 4%

・主な臨床症状: wheezing(48%), 息切れ(40%), 嚥下困難(20%)
 ・wheezingと息切れは重複大動脈弓, あるいは右側大動脈弓+動脈管索の患者で, 嚥下困難は異常右鎖骨下動脈の患者でみられた

・主な術後合併症(術後1か月までで): 気胸(16%), 不整脈(12%), 敗血症(8%), 肺炎(8%), 乳び胸(8%)