・おたふくかぜワクチンはおたふくかぜ予防に有効なワクチンで, 世界中で広くルーチンで接種が推奨されているワクチンである.
・日本においてはおたふくかぜワクチンは1993年のMMRワクチンの接種中止以降, 長らく任意接種のままである.
・定期接種として実施されているワクチンとは異なり接種率については十分把握されておらず地域によっても異なることが推定されるが, 概ね60%程度と報告されている(*1)
・現状においては接種率は十分ではなく, 実際に数年おきにおたふくかぜの流行が発生している状況で難聴などの合併症が一定数発生していることが推測されるため, さらなる接種率向上が望まれる.
・接種率上昇, もしくは低下させる因子の把握は接種率上昇のための戦略をためには参考になるが, これまで接種に関連した因子は十分には知られていない.
・日本においてはおたふくかぜワクチンは1993年のMMRワクチンの接種中止以降, 長らく任意接種のままである.
・定期接種として実施されているワクチンとは異なり接種率については十分把握されておらず地域によっても異なることが推定されるが, 概ね60%程度と報告されている(*1)
・現状においては接種率は十分ではなく, 実際に数年おきにおたふくかぜの流行が発生している状況で難聴などの合併症が一定数発生していることが推測されるため, さらなる接種率向上が望まれる.
・接種率上昇, もしくは低下させる因子の把握は接種率上昇のための戦略をためには参考になるが, これまで接種に関連した因子は十分には知られていない.
・今回の研究では, 日本におけるおたふくかぜワクチン接種に関連する因子を分析している.
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「日本におけるムンプス, ムンプスワクチンに関する保護者の考えとワクチン接種に関連する因子」
2019年10月から2020年2月にかけて金沢市での1歳半健診で行われた調査でおたふくかぜワクチンの接種の決定に関連する要因を調査している.
結果としては主に以下のような内容であった
・55.6%の児がおたふくかぜワクチンを接種していた
・接種した理由として最も多かったのは「もし子どもがおたふくかぜに罹ったらかわいそう(申し訳ないと思う)だから」であった(56.8%)
・接種していない理由として最も多かったのは「おたふくかぜワクチンは定期接種ではないため」であった(35.9%) (ただし理由として「その他」を選んだ割合は40.8%でもあった)
・接種していないその他の理由としては主に以下のものが挙げられていた:
・おたふくかぜワクチンを接種できることを知らなかった(5.4%)
・自然におたふくかぜに関連したほうが好ましい(4.9%)
・接種していない理由として最も多かったのは「おたふくかぜワクチンは定期接種ではないため」であった(35.9%) (ただし理由として「その他」を選んだ割合は40.8%でもあった)
・接種していないその他の理由としては主に以下のものが挙げられていた:
・おたふくかぜワクチンを接種できることを知らなかった(5.4%)
・自然におたふくかぜに関連したほうが好ましい(4.9%)
・ほとんど(96.6%)の保護者はおたふくかぜについて知っており, 多く(83.5%)はおたふくかぜに罹ることについて懸念していた.
・合併症については認知度は低く, 最も知られている合併症であった難聴でも27.2%であった.
・その他の主な合併症と知っている割合:
・精巣炎: 20.3%
・髄膜炎: 19.1%
・流産: 15.0%
・脳炎: 15.0%
・ワクチン接種に関連する因子としては以下のものが挙げられた:
・医師からおたふくかぜワクチンの副反応について教わった保護者
・子どものワクチン接種を家族構成員から推奨された保護者
・金沢市から提供されたワクチン接種の情報を読んでいる保護者
・その他の任意接種のワクチンを接種している児
・胃腸炎の治療を受けた児
・一般的にワクチンに関して深く理解している保護者
・精巣炎: 20.3%
・髄膜炎: 19.1%
・流産: 15.0%
・脳炎: 15.0%
・ワクチン接種に関連する因子としては以下のものが挙げられた:
・医師からおたふくかぜワクチンの副反応について教わった保護者
・子どものワクチン接種を家族構成員から推奨された保護者
・金沢市から提供されたワクチン接種の情報を読んでいる保護者
・その他の任意接種のワクチンを接種している児
・胃腸炎の治療を受けた児
・一般的にワクチンに関して深く理解している保護者
・ワクチンを接種していないことに関連する因子としては以下のものが挙げられた:
・ワクチン接種に関して誰からも推奨されていない
・子どもが2人以上いる保護者
・ワクチン接種に関して誰からも推奨されていない
・子どもが2人以上いる保護者
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金沢市は1年度中に任意接種ワクチンの接種に対して, 1回あたり助成金1000円を2回まで受けられるという制度となっているが, この助成制度ではおたふくかぜワクチンの接種率向上にはあまり寄与していないことが推定される(1歳半までの接種率であるため, その後の接種による上昇は一定数あると推定されるものの).
おたふくかぜワクチンに関しては自治体によって様々な助成制度が設けられているが, それが実際に接種率上昇に寄与する内容であるかははっきりしていないことが多いだろう.
名古屋市では自己負担金が3000円となる補助金制度を導入後, 接種率が90%超まで上昇し, おたふくかぜの報告数が減少したことが報告されており(*2), こういった内容を参考にして制度設計を行ったほうがよいかもしれない.
また小児科医の視点では, 合併症に関する認知度の低さが気になった.
過去の報告にもある通り(*3), 十分な情報提供がワクチン接種に向かうことと関連していそうな結果であったことも考えれば, 個人としては合併症も含めた疾患に関する情報, 任意接種であるがおたふくかぜワクチンは推奨されるものであることを広く知ってもらうようにすべきであろうと改めて感じた.
参考文献
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