疫学
・胸痛の原因の21-73.6%を占める
・小児の胸痛の原因の中でもっとも頻度が高かったとする報告が多い
・好発年齢: 10歳以上の小児
・わずかに男児が多い傾向が見られた報告はある.
臨床症候
胸痛
・痛みは鋭く短い(数秒から数分), また深呼吸で増悪する
・痛みの部位は典型的には胸骨中央から乳頭下周辺にかけて
・胸骨や肋軟骨の触診で痛みが誘発されることがある
・痛みは反復してみられることがある
診断
・病歴や検査などで他の原因を除外することで診断される
・ベルギーでの胸痛を主訴にしてERを受診した患者の報告では, 以下の項目のいずれも満たさない場合, 特発性を含む胸壁痛の可能性が非常に高かった:
・咳嗽, 外傷歴, ストレスがかかる出来事, 呼吸困難, 食事に関連した痛み, 発熱, 病的な心音, 動悸, 不安
・precordial catch症候群は特発性胸痛とは別の存在であるか, あるいは特発性胸痛であるかどうかに関して専門家の意見は様々である.
予後
・31人の患者を平均4.1年経過観察した報告では, 45%で症状は持続したが, 3年以上の経過で81%の患者で胸痛は消失していた.
参考文献
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