Role of viral
coinfections in asthma development.
PLoS One 2017;
12(12): e0189083
後の気管支喘息発症との関連性について,
細気管支炎の原因としてのウイルスの単独感染と重複感染を比較したスペインでの前方視的研究
・2008年9月から2011年12月に細気管支炎で入院した既往のある6-8歳の小児で行われた
・入院時の年齢は0-24か月
・児が6-7歳の間に喘息症状についてISACC質問票を用いて質問を行い, 両親が電話で回答した
・ウイルス学的検査(PCR)のための鼻咽頭吸引検体と臨床的データは細気管支炎の入院時に前向きに収集された
結果
・244人の小児が対象となった:
・重複感染52人, 単独感染192人
・それぞれの患者で臨床的特徴には有意差はなし
・単独感染でみられたウイルスの種類と頻度:
・RSウイルス(RSV): 52%
・ヒトライノウイルス(HRV): 15%
・ヒトメタニューモウイルス(hMPV): 8%
・アデノウイルス(AdV): 2.6%
・ヒトボカウイルス(HBoV): 1.6%
・重複感染でみられたウイルスの組み合わせと頻度の:
・RSV + HRV: 29%
・RSV + HBoV: 23%
・アレルギー性鼻炎,
アトピー性皮膚炎,
食物アレルギーの有病率に関しては単独感染と重複感染の患者の間で有意差なし
・両群で喘息やアトピーの家族歴に関して有意差なし
気管支喘息との関連
・経過観察での接触時での年齢の中央値は7.3歳(IQR 6.7-8.1)
・反復性喘鳴の発生率は重複感染群で82.7%, 単独感染群で69.7%にみられた
・再入院を必要とした喘鳴はそれぞれ21%, 29%
・喘鳴に関連した入院数は単独感染群と比較して重複感染群で2倍だった(p
=.004)
・薬剤の使用:
・吸入ステロイドが処方されている割合は両群で同程度
・モンテルカストは単独感染群よりも重複感染群の患者で処方されている割合が高かった
・過去12か月で喘鳴を呈した割合は重複感染群が単独感染群よりも高かった(30.8% vs 15%):
・現在の喘息の有病率と強く相関していた
喘息発症の危険因子
・6-8歳時での喘息発症に関連する独立した危険因子:
・12か月以降での細気管支炎での入院(オッズ比[OR] 7.389)
・9か月以降での細気管支炎での入院(OR 3.484)
・アレルギー性鼻炎(OR 5.910)
・ウイルス重複感染による細気管支炎(OR 3.374)
まとめ
・ウイルスの単独感染よりも重複感染の方が,
将来の喘息発症のリスクは上昇しているかもしれない
・また9か月,
特に12か月以降での入院やアレルギー性鼻炎の併存患者も将来の喘息発症のリスクが上昇しているかもしれない
0 件のコメント:
コメントを投稿