The Use of
Magnetic Resonance Imaging Screening for Optic Pathway Gliomas in Children with
Neurofibromatosis Type 1
J Pediatr 2015;
167: 851-6
神経線維腫症1型(NF1)の患児における視神経膠腫(OPGs)のMRIを用いたスクリーニングの有用性を検討した後方視的研究
・1990年から2010年の間での単施設でみられたNF1の患者の臨床データと画像データを後方視的に分析
・スクリーニング方法:
・初回のMRI: 生後約15か月or 生後15か月以降に診断された症例ではNF1の診断時
・OPGsが確認された患者
・OPGsの安定化が確認されるまで3-6か月毎に詳しい眼科的診察と頭部/眼窩MRIを施行
・OPGsが確認されていない患者: 年1回の詳しい眼科的診察を施行
結果
・1-9歳(中央値2歳)のNF1の小児826人(女児402人, 男児424人)に対してMRIを用いたOPGsスクリーニングが施行された
・149人(18%)の患者でOPGsが発見された
・そのうち22人(OPGs症例の15%)で化学療法が施行された
・OPGsは白人と比較してアフリカ系アメリカ人で発見される頻度が低かった(17.5% vs 10.2%)(P < .01)
・女児は男児よりも発生率は高かった(20.6% vs 15.6%)(P
< .01)
・OPGsの90%の症例は6歳未満で発見されていた
・OPGs発見時の年齢の中央値は3歳(範囲: 1-12歳)
・視交叉前の腫瘍と比較して視交叉, あるいは視交叉後の腫瘍で治療を必要とした割合は高かった
・視交叉前: 3/96
・視交叉: 15/42
・視交叉後: 4/11
・149人のOPGs患者のうち52人(34%)は両側性であった
・治療を必要とした22人のうち11人(50%)は両側性であった(P
< .02)
・治療が行われた22人中5人で視床下部障害がみられた
・MRIでの最初の腫瘍の発見後から治療までの期間は0.2-5年
・失明と腫瘍発育が治療開始の最も頻度の高い理由
・治療前に視覚所見を認めていた患者では, 放射線学的なOPGsの進行に基づいて治療された患者と比較して視力低下を呈する頻度が高かった(10/12 vs 2/10)
・治療を必要としたOPGsの患者の頻度の高い合併症: 視力障害(12/22), 内分泌異常(9/22)
・視交叉と視交叉後に生じた腫瘍では下垂体機能低下(6/22)と思春期早発(5/22)が頻度の高く認められた
まとめ
・NF1患者の視神経膠腫は珍しいものではなく,
多くは6歳未満で発症する.
定期的な眼科的評価はこれまで勧められていたが,
治療を必要とした症例では症状が出現しているとその後の転帰は良好ではない可能性がある.
早期発見と介入の必要性の早期の判断のためにMRIを用いることは意義があるかもしれず,
今後の検討課題だろう
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