2018年1月10日水曜日

大動脈縮窄の女児例におけるTurner症候群の有病率

Turner Syndrome in Girls Presenting with Coarctation of the Aorta.
J Pedaitr 2015; 167: 1062-6

大動脈縮窄(CoA)を発症した女児におけるTurner症候群の頻度を検討した後方視的研究

・ユタ州全体の集団ベースコホートでの研究(Utah Birth Defects Network [UBDN]からのデータを用いた)
・研究対象期間: 1997-2011
・通常Turner症候群でみられない先天性心奇形を伴うCoAは除外した
 ・大動脈二尖弁, ASD, VSD, transverse arch hypoplasiaは含めた
・通常Turner症候群でみられない心臓以外の奇形を伴うCoAは除外した


結果

・期間中に366023人の女児が出生し, そのうち244人の女児でCoAが発見された
244人のうち77人の患者が基準により除外され, 167人の女児で分析を行った
167人中86人で染色体検査が行われた
 ・21(12.6%)が染色体検査でTurner症候群と診断された
  ・全員が生後4か月以内に診断されていた
  ・4(24%)は出生前に診断されていた
21人のTurner症候群患者のうち, 15(71%)ではTurner症候群との関連が知られている器質的異常を有していた
 ・モザイク型の患者は完全型の患者と比較して合併する所見を有する頻度は低かった(3/6 [50%] vs 12/17 [70.6%])
21人のTurner症候群患者のうち, 12(57%)では大動脈二尖弁もみられていた


まとめ

・CoAを発症した女児がTurner症候群患者である頻度は低くはなく, またTurner症候群を示唆するその他の所見を伴っていない例も少なくない. そのため, CoAを発症した女児ではスクリーニングで染色体検査を考慮してもよいかもしれない

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