JPGN 2014; 58: 308-12
1歳まで機能性便秘の危険因子について検討した多施設前向き研究
・465人の健康な正期産児の出生コホートを元にして行われた
・1歳まで前向きに経過観察を行い, 機能性便秘発症の危険因子について評価した
・13.6%は1歳まで経過観察できなかった
・3, 6, 12か月の時点で, 電話で以下の項目について質問した:
・機能性便秘を発症してるかどうか
・可能性のある危険因子についてのスクリーニング
・両親と兄弟に以下の家族歴がある場合には, 右のように考えた:
・機能性消化管疾患(FGID)の家族歴: FGIDの家族歴あり
・喘息, アレルギー性鼻炎, 食物アレルギー, アレルギー性皮膚炎, アナフィラキシーショック: アトピーの家族歴あり
参考: Rome III 機能性便秘診断基準(4歳未満) 以下の項目が少なくとも2項目が1か月以上ある場合に機能性便秘と診断される 1. 1週間に2回以下の排便 2. トイレでの排便を習得した後, 少なくとも週に 1 回の便失禁 3. 過度の便の貯留の既往 4. 痛みを伴う, あるいは硬い便通の既往 5. 直腸に大きな便塊の存在 6. トイレが詰まるくらい大きな便の既往 随伴症状として易刺激性, 食欲低下, 早期満腹感などがある. 大きな便の排便後, 随伴症状はすぐに消失する. 乳児では排便が週2回以下, あるいは硬くて痛みを伴う排便で, かつ診断基準の少なくとも1つがある場合, 便秘だとみなされる |
結果
・以下の時点でそれぞれ機能性便秘のRome III基準を満たした児の割合は以下の通り:・生後3か月: 11.6%
・生後6か月: 13.7%
・生後12か月: 10.7%
・生後12か月時点で便秘を認めた割合:
・生後3か月で便秘あり: 23.3%
・生後3か月で便秘なし: 8%
・生後3, 6か月では男女差はみられなかったが, 12か月では便秘のあった児の67.5%は女児であり, 便秘のない児の52.7%は男児であった
・母乳栄養は生後3か月での排泄正常と関連していたが, 生後6か月以降には影響はみられなかった
・アトピーの家族歴は生後3, 6か月での機能性便秘との間で関連性がみられたが, 12か月では関連性はみられなかった
・アセトアミノフェンの使用は生後3か月では関連性はみられなかったが, 生後12か月では関連性がみられた
・アセトアミノフェンの使用との関連性は, いずれも剤型でもみられた
・すべての分析を行った変数の調整後, 生後12か月時点でアセトアミノフェンの使用が機能性便秘と有意に関連していた(オッズ比 6.98, 95%信頼区間 0.82-13.50)
まとめ
・母乳栄養は生後3か月での機能性便秘を減らすかもしれない
・女児, アセトアミノフェンの使用が生後12か月での機能性便秘の危険因子かもしれない
・母乳栄養は生後3か月での排泄正常と関連していたが, 生後6か月以降には影響はみられなかった
・アトピーの家族歴は生後3, 6か月での機能性便秘との間で関連性がみられたが, 12か月では関連性はみられなかった
・アセトアミノフェンの使用は生後3か月では関連性はみられなかったが, 生後12か月では関連性がみられた
・アセトアミノフェンの使用との関連性は, いずれも剤型でもみられた
・すべての分析を行った変数の調整後, 生後12か月時点でアセトアミノフェンの使用が機能性便秘と有意に関連していた(オッズ比 6.98, 95%信頼区間 0.82-13.50)
まとめ
・母乳栄養は生後3か月での機能性便秘を減らすかもしれない
・女児, アセトアミノフェンの使用が生後12か月での機能性便秘の危険因子かもしれない
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