Analysis of
Clinical Manifestations and Laboratory Findings in Children with Influenza
B-Associated Myositis: A Single Center Study.
Korean J Fam Med
2018; 39(1): 37-41
小児のインフルエンザBに関連した筋炎の臨床像について評価した後方視的研究
・韓国でインフルエンザB関連筋炎と診断された小児の単施設後ろ向き研究
・以下の基準を満たしたものをインフルエンザB関連筋炎と診断した:
・急性発症
・腓腹筋痛の存在(歩行障害の有無は問わない)
・確定したインフルエンザB感染症
・血清CK上昇
・自然治癒する経過
・インフルエンザBは免疫蛍光抗体染色法およびPCRで確認
結果
・インフルエンザBと診断された小児536人のうち, 47人(8.7%)で両側性の腓腹筋痛を訴えていた
・研究期間中にインフルエンザB以外で腓腹筋痛を呈した患者もいて, それぞれ検出された原因は以下の通り:
・アデノウイルス: 4例
・インフルエンザA: 5例
・不明: 3例
臨床像
・年齢の中央値は6.8歳(男児が80.8%)
・有熱期間の中央値は3.8日
・発熱の出現後から筋痛の出現までの期間の中央値は2.1日(0-6日)
・筋痛出現から改善までの期間の中央値は4.2日(1-7日)
・筋痛の見られた期間と有熱期間には相関性がみられた
臨床検査
・筋炎と診断された児全員でASTが上昇していた
・中央値は152IU/L (範囲: 15-328)
・AST以外での臨床検査値:
・CK: 中央値 2597IU/L (範囲: 560-7414)
・LDH: 中央値 678IU/L(範囲: 367-1232)
まとめ・個人的見解
・インフルエンザBでは時に筋炎を合併することがあり, 多くは腓腹筋痛を呈し, インフルエンザ発症から少し時間が経過してから筋炎が出現することが典型的なようである.
・経過良好な例が多いようであるが, 横紋筋融解症や急性腎不全を合併した例も報告されている(Indian Pediatr 2013; 50(6): 595-6)ため注意して経過観察する必要はあるだろう.
その他
・以前にも筋炎および神経学的合併症を合併したインフルエンザBの後ろ向き研究を紹介していますが, 臨床像は似たような結果がみられていました
(参考: 小児のインフルエンザB感染症に関連した神経症状や筋症状)
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