Eur J Pediatr
2017; 176: 1595-602
新生児・乳児早期のエンテロウイルス(EV)およびヒトパレコウイルス(HPeV)が原因の敗血症様疾患における神経学的評価を行った前方視的研究
方法
・EVかHPeVによる敗血症様疾患で入院した日齢90以下の児を対象とした前向きコホート研究
・血漿あるいは脳脊髄液のうち1つ以上がPCR陽性であった場合, そのウイルス感染と判断
・検査: 頭部超音波検査(入院後1-2日), 頭部MRI(退院後4-6週)を施行
・経過観察: 神経発達について退院後4-6週および生後6か月時, 1歳時に評価
結果
・26人の児が対象となった: EVが22人, HPeVが4人
・経過中にけいれん発作を呈した児はいなかった
・髄液細胞数増加はEV症例 8/17(47%)でみられ, HPeV症例ではみられなかった
・頭部超音波検査で異常を認めた症例はなし
経過観察
・退院後4-6週:
・1例で下肢のわずかな筋緊張低下がみられた
・筋緊張低下はその後の経過観察で完全に回復
・頭部MRIで異常を認めた症例はなし
・生後6か月時:
・1例で全身性の筋緊張低下がみられた:
・筋緊張低下はその後改善したが, 1歳時には中等度の発達遅滞がみられた
・1歳時: 26例中20例(HPeV 2例, EV 18例)で評価が行われ, HPeV症例のうち1例, EV症例のうち6例でいずれかの発達遅滞がみられた
・遅滞がみられた7例のうち, 3例では髄液細胞数増加を認めたが2例では認めなかった(その他2例はデータなし)
まとめ
・EVかHPeVによる敗血症様疾患で入院した日齢90以下では,
一部で神経学的後遺症がみられる症例が存在する
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