Pediatr Infect Dis J 2018; 37: 281-6
小児救急外来での嫌気性菌に対する血液培養について検討した後ろ向き研究
・施設: イスラエルでの単一の3次医療施設
・研究期間: 2002年1月1日から2016年8月1日
・小児救急外来で採取された血液培養を採取された0-14歳の小児が対象となった
・血液培養は以下の小児では採取されていた:
・発熱がある(BT>38.3℃)
and/or
・菌血症を示唆するその他の徴候(例: 他に可能性のある理由がないtoxic appearance, 意識障害, 末梢血流低下)がある
・研究に関連した予防接種スケジュール:
・2009年にPCV7, 2010年にPCV13が導入された
・1994年からH. influenzaeのワクチンは接種されていた
・以下の1つ以上を満たす場合を血液培養陽性と判断した:
・コンタミネーションと考えられない微生物の発育
・同一の菌が2つ以上で陽性
結果
・研究期間中で68304の血液培養が採取されており, そのうち3349 (4.9%)が陽性だった・菌のデータの再検討後, 2378 (3.5%)がコンタミネーションと考えられ, 971 (1.42%)が真の陽性と考えられた
・血液培養であった児は57.3%が男児で, 年齢の中央値は1.5歳
・971の嫌気性菌陽性の血液培養:
・735 (76%)は通気性嫌気性菌
・180 (19%)は好気性菌
・33 (3.4%)のみが偏性嫌気性菌
・その他の原因と比較して偏性嫌気性菌ではより赤沈(ESR)が亢進していた
・偏性嫌気性菌による菌血症の児のほとんどは罹患しやすい危険因子を有していた
・最も多い関連した原因は頭頸部の局所の感染症(例: 中耳炎, 副鼻腔炎): 全体の36%
・全体の菌血症を伴った頭頸部感染症の70例の17%を占めていた(オッズ比 4.2)
・2番目に多い危険因子は腹部の徴候と症状のエピソード: 全体の21%
・虫垂炎の症例のみで分析を行った場合, 6例が菌血症を伴っており, そのうち4例が嫌気性菌による菌血症であった(オッズ比 40.3)
・好気性培養と嫌気性培養のボトル別の発育状況: (971 [87.8%]で発育に関して情報があった)
・好気性培養ボトルのみ発育: 319 (37%)
・嫌気性培養ボトルのみ発育: 187 (22%)
・同じセットで両方のボトルで発育: 347 (40%)
まとめ
・小児救急外来において, 嫌気性菌による菌血症は極めて稀であった・主な危険因子としては頭頸部の感染症と腹腔内感染症が挙げられた
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