Vaccine. 2018; 36(20): 2764-7
小児における水痘ワクチン接種と脳梗塞との関連性を分析したカナダでの後ろ向き研究
・水痘疾患は小児の脳梗塞の危険因子であることは知られている・水痘ワクチン接種後の脳梗塞症例が報告されているため, 関連性を評価するため行われた後ろ向き研究
・ワクチンを接種していない児と比較して, 生後11-23か月で水痘ワクチンを接種した小児において, 接種後12か月までの脳梗塞のリスクを評価
結果
・368992人が対象となり, そのうち325729人が生後11-23か月の間に水痘を含むワクチンを接種していた・研究期間中に全体で43人が脳梗塞で入院していた
・43人の詳細:
・ワクチン接種前の発症: 7人
・ワクチン接種後1年以内での発症: 25人 (そのうち5人は30日以内での発症)
・ワクチン接種後1年以降での発症: 5人
・ワクチン未接種: 6人
・脳梗塞の発生率はワクチンの接種児で7.8 (95%信頼区間[CI] 4.8-10.9)/10万人年, 未接種児で6.8(95%CI 1.3-12.2)で有意差はなかった
・ワクチン未接種児と比較した場合での, 接種児における脳梗塞のリスクを調整後のHRは接種後1年以内で1.6(95%CI 0.7-3.7), 接種後30日以内で1.6 (95%CI 0.6-3.0)
まとめ
・今回の後ろ向き研究では水痘ワクチン接種は脳梗塞の危険因子ではなかった
・今回の研究のみで確かめられたわけではなく, より質の高い研究が求められるかと思います.
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