J Pediatr 2018; 195: 182-9,e2
母乳栄養の期間および離乳食の開始時期と小児期の喘息との関連性を分析したノルウェーでの前向き研究
・1999-2008年のノルウェーの妊娠女性を採用した全国前向きコホート研究
・最長18か月までの母乳栄養のデータがあり, 現在7歳を過ぎている小児を対象とした
・喘息を以下の3つの分類:
・早期一過性: 3歳でのみ喘息が存在
・晩期発症: 3歳以降で喘息を発症
・持続性: 3歳と7歳の両方の時点で喘息が存在する
結果
・41020人の小児が対象となった・対象となったうち:
・生後6か月で母乳栄養を行っていたのは79%
・生後12か月で母乳栄養を行っていたのは38%
・生後6か月で母乳栄養を行っていた児のうち78%が固形食を開始しており, 36%がミルクも与えられていた
・7歳の時点で喘息に対する薬剤を投与されていた小児の割合:
・母乳栄養期間<6か月: 5.9%
・母乳栄養期間<6-11か月: 4.6%
・母乳栄養期間≧12か月: 4.6%
・生後6か月の時点で母乳栄養を行っていた児において, 離乳食の開始時期が6か月未満とそれ以降では喘息発症のリスクに差はなかった
・母乳栄養と帝王切開との相互関係についても検討されたが, 母乳栄養の期間や離乳食の開始時期と関連はなかった
・早期一過性喘息においては, 母乳栄養を12か月以上続けていた児と比較して6か月未満の児では有意にリスクが高かった(aRR 1.46)
・晩期発症や持続的な喘息においては母乳栄養の期間と喘息との間に関連性はみられなかった
まとめ
・母乳栄養の期間および離乳食の開始時期と7歳での喘息との間に関連性はみられなかった補足
・”complementary food”は本来補完食を意味する言葉ですが, “補完食”という単語があまり一般的ではないと思われることや, 今回の内容を考慮して”離乳食”としています
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