外来における小児の市中肺炎に対するステロイド追加治療と治療失敗
Adjunct Systemic
Corticosteroid Therapy in Children with Community-Acquired Pneumonia in the
outpatient Setting. J Pediatric Infect
Dis Soc. 2015; 4(1): 21-7
外来において市中肺炎(CAP)と診断された小児におけるステロイド全身投与の影響について検討したアメリカでの後ろ向き研究・CAPと診断され外来管理が行われた1-18歳の小児が対象
・診断後14日以内に呼吸器疾患に関連する受診で抗菌薬が変更されたものを治療失敗と定義
・ステロイド治療の追加と治療失敗との関連性を統計学的に分析
結果
・2244人の患者が対象となった
・そのうち学童期の小児(6-18歳)が54%を占めた
・喘息の既往がなかった患者は1727人(77%)
・86人(5%)の患者でステロイド治療が追加されていた
・そのうち約半数ではwheezingがみられていた
・喘息の既往があった患者は517人(23%)
・207人(40%)の患者でステロイド治療が追加されていた
・そのうち61%でwheezingがみられていた
・59%の患者はCAPの診断でマクロライド単剤を用いて治療されていた
治療失敗・初期のCAPの診断後14日以内に2244人のうち,105人(5%)で治療失敗していた
・ステロイド治療が追加された患者で治療失敗率に有意差はみられなかった・喘息の既往のなかった患者においては, ステロイド治療が追加された患者では治療失敗率は約2倍であり, 統計学的に有意にリスクは上昇していた
・喘息の既往のあった患者では, ステロイド治療の追加と治療失敗率に有意な関連性はみられなかった
まとめ
・市中肺炎と診断された喘息の既往のない小児が外来管理された場合, ステロイド追加治療は治療失敗のリスクを高めるかも知れない
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