Decline of
Neurologic Varicella Complications in Children During the First Seven Years
After Introduction of Universal Varicella Vaccination in Germany, 2005-2011
Pediatr Infect Dis
J 2017; 36: 79-86
自己負担なしの水痘ワクチンの接種プログラム開始後での水痘の神経学的合併症について分析したドイツでの研究
方法
・ドイツでは2004年7月に水痘ワクチンの1回接種が自己負担なしで接種できるようになり, 2009年7月に2回接種が自己負担なしで接種できるようになった
・2005年から2011年にかけてドイツのBavaria (ドイツの小児の16%が在住)の小児病院で入院した患者のうちで, 小児(17歳未満)の水痘の神経学的合併症を起こした患者について分析
結果
・地域の小児病院のうち61-78%が期間中にこの研究に参加した
・期間中に水痘で入院した患者は1263人であった
・水痘感染症の年齢の中央値は3歳(IQR 1-5)で, 55%が男児であった
・少なくとも1つ以上の特異的な合併症を呈して患者は75.5%いた
・神経学的合併症は水痘で入院した患者の18.1%で報告されていた
・神経学的合併症がみられた患者はそれ以外の患者と比較して以下のような特徴がみられた:
・年齢が高い(中央値 4歳 vs
3歳)
・慢性疾患を有する割合が低い(16% vs 23%)
・神経学的合併症の有無で入院期間に差はなかった(中央値 3日)
神経学的合併症のタイプと症状
・神経学的合併症が228人でみられた
・合併症: 熱性けいれん(32.0%), 脳炎or髄膜炎(28.9%), 失神(13.2%), 無熱性けいれん(11.0%), 顔面神経麻痺(2.6%), 大脳血管炎/脳梗塞(1.8%), その他の神経学的合併症(10.5%)
・脳炎or髄膜炎:
・62%は脳炎と診断され, 33%は髄膜炎と診断され, 5%は髄膜脳炎と診断されていた
・頻度の高い症状: 失調/協調運動障害(17%), 熱性けいれん(8%)
・失神:
・失神がみられた患者の年齢はその他の合併症の患者よりも高かった(中央値 7歳)
時間の経過による神経学的合併症の変化
・水痘に関連した神経学的合併症の発生率は2005年から2011年にかけて持続的に低下していた
・2005年と比較して2011年では約59%低下していた
・年齢別での神経学的合併症の発生率は0-7歳では低下していたが, それ以降では変化はなかった
まとめ
・水痘ワクチン接種により小児の特に7歳までの水痘の神経学的合併症は減少した
個人的感想
・水痘は様々な神経学的合併症を起こすことが知られています. 熱性けいれんなどの起こしても大きな問題とならないものも少なくないですが, 脳炎・髄膜炎など後遺症を残しうるものも少なくないです. また脳梗塞は水痘の急性期を過ぎたあとでもしばらく発症リスクを有する状態が続きます.
・水痘ワクチンは日本でも定期接種が開始となってから2回接種している児が増えたため, 今後神経学的合併症の減少していくことが期待できます.
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