Vitamin D and
vitamin D receptor levels in children with attention-deficit/hyperactivity
disorder.
Neuropsychiatr Dis
Treat 2018; 14: 581-5
ビタミンDとビタミンD受容体
・ビタミンDは体内で様々な役割を果たしていることがわかってきており, それに伴うビタミンD欠乏症と様々な疾患との関連性が多くの研究で報告されてきている
・ビタミンD欠乏症と精神疾患の関連性については明らかにはなっていないが, 自閉症スペクトラムとの関連性も指摘されている
・ビタミンD受容体は中枢神経系の小脳, 視床, 視床下部, 基底核, 海馬, 嗅覚系, 側頭葉, 前頭葉眼窩部で発見されている
・その他の多くの身体部位でも発現している
・ADHDではこれらの一部における変化が病態形成に関与している可能性が示されている
ADHDの小児におけるビタミンDとビタミンD受容体値について評価した研究
・ADHDの小児(ADHD群)40人と, 年齢, 性別, 採血時の季節をマッチさせたコントロール40人(コントロール群)を比較
・血液検査では血清ビタミンD, ビタミンD受容体(VDR)値, カルシウム, リン, アルカリホスファターゼ(ALP)を測定
・ADHD群では採血時および採血前6週間はいずれも薬剤も使用していない
結果
・ADHD群の平均年齢は8.65±1.53歳で, 70%が男児
・ADHD群ではコントロール群よりも血清ビタミンD値は有意に低かった(24.10±3.98 vs 32.71±4.26ng/mL)
・ADHD群ではコントロール群よりも血清VDR値は有意に低かった(1.69±0.22 vs 2.08±.042ng/mL)
・両群でカルシウム, リン, ALPに有意差はみられなかった
・ADHDのサブタイプ間で血液検査の測定項目において差はみられなかった
まとめ
・ADHDの児では血清ビタミンD値やビタミンD受容体値が低いかもしれない
個人的感想
・ビタミンDと疾患との関連性は様々な研究で報告されるようになってきており, 近年注目されている印象があります.
・今後, ビタミンD欠乏症と関連性が指摘されている疾患に対してビタミンD補充が効果的かどうかが評価されるかもしれません
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