脆弱X症候群(FXS)の初発から診断までの時間について評価を行ったイスラエルでの後ろ向き研究
・FXS患者の臨床的情報および初発時から分子学的確定診断までの時間について評価
結果
・FXS患者117人のうち25人が女性
・一般集団と比較してFXSの患者では分娩の遅れとより長期の入院の頻度が高かった
・児の発達に関する最初の問題が生じたのは生後1-60か月(平均14か月)
・初発時と確定診断時の平均年齢
・初発時: 男性12.3か月, 女性23か月
・確定診断時: 男性4歳, 女性9歳
・確定診断までの期間は2007年以前に出生した児では69.5か月であったが, 2007年以降では31.9か月であった
・両親により報告された最初の問題とその割合:
・運動発達遅滞: 44%
・コミュニケーション発達遅滞: 21%
・言語発達遅滞: 19%
・発達遅滞: 14%
・FXSの兄弟がいる: 10%
・身体的徴候: 6%
・発達遅滞を伴う身体的徴候: 4%
・発達の節目の退行: 3%
まとめ・個人的感想
・FXSは主に発達遅滞により発症するが, 診断までに時間を要することが多い.
・FXSでは様々な身体的特徴が知られているが, 乳児期にはそれらがみられないこともあるため, 身体的特徴がない場合でも除外すべきではない.
・日本でも過小診断されている可能性が指摘されており(脳と発達 2015; 47(2): 112-6), 発達遅滞や自閉症患者ではFXSも考慮すべきであろう参考文献
1) Psychiatric and autistic comorbidity in fragile X syndrome across ages. J Child Neurol. 2011; 26(8): 940-8
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