粘膜皮膚の出血性疾患の小児における鼻出血の重症度と特徴を分析した前方視的研究
・von Willebrand病(VWD)もしくは血小板機能障害(PFD)のある18歳以下の小児を対象とした前向き研究
・出血性疾患のない小児をコントロールとして重症度および鼻出血の特徴について比較
・患者とコントロールは小児出血質問票(PBQ)に回答し, 重症度の評価に用いた
・小児出血質問票(PBQ)の鼻出血セクションの点数:
・鼻出血がない, あるいは鼻出血エピソードが年5回以下: 0点
・鼻出血エピソードが年6回以上か出血時間10分以上: 1点
・コンサルテーションのみ: 2点
・パッキング, 焼灼, 抗線維素溶解薬: 3点
・輸血, 補充療法, デスモプレシン: 4点
・患者ではさらにKatsanis半定量鼻出血スコアリングシステム(ESS)を用いての重症度の評価も行われた
・Katsanis半定量的鼻出血スコアリングシステム(ESS):
・頻度, 出血時間, 量(エピソードごとの出血量), 鼻出血の病歴/年齢および部位のそれぞれの重症度に応じて0-2点で点数をつけて, その合計点で判断
・0-6点を軽症, 7-10点を重症と定義している
結果
・PBQ鼻出血スコアは66人の患者と56人のコントロールから得られた
・患者の年齢の中央値は12歳(範囲: 0.6-18.3歳)
・患者の疾患: VWD 1型 34人, VWD 2型 3人, VWD 3型 12人, PFD 17人
・PBQ鼻出血スコアの中央値は患者2点に対してコントロール0点であった
・患者ではコントロールと比較して以下の鼻出血の特徴がみられる頻度が高かった:
・医学的介入を要する鼻出血: 58% vs 9%
・年5回以上の鼻出血のエピソード: 67% vs 20%
・10分を超える出血時間: 62% vs 9%
・両側の鼻孔からの発生: 77% vs 27%
・患者のうち50%はKatsanis-ESSで重症に分類され, そのうち91%がPBQ鼻出血スコアで2点以上であったまとめ・個人的感想
・粘膜皮膚の出血性疾患の小児での鼻出血では医学的介入を要するもの, 出血時間が10分を超えるもの, 両側性のもの, および 年5回を超えるエピソードのものの頻度が高かった.・鼻出血のエピソードが多い児では他にも注意する点はあるが, これの項目にも注意して問診していく必要はあるだろう.
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