2018年2月11日日曜日

クループにおけるWestley scoreと転帰





クループでの転帰の予測におけるWestley scoreについて評価した前方視的研究

・小児救急外来にクループで受診した患者を対象とした前向き研究
・臨床的転帰を予測するためWestley score, 発熱, 年齢, 病院の滞在時間を分析
Westley score:
所見/点数
0
1
2
3
4
5
意識状態
睡眠を含め正常




意識障害
チアノーゼ
なし



興奮時
安静時
喘鳴
なし
興奮時
安静時



Air entry
正常
低下
著明に低下



陥没呼吸
正常
軽度
中等度
重度




結果

・クループ患者192人が対象となった

臨床所見
・重症クループ症例であっても, チアノーゼと意識障害は臨床的な意義がなかった
陥没呼吸air entryが臨床的転帰を予測するために最も重要な因子であった

Westley score (WS)
最初のWestley scoreは病院の滞在期間と強く相関していた
・スコアと患者の転帰:
 ・WS<2の患者は帰宅した(感度 5%, 特異度100%)
 ・WS5の患者は救急外来での滞在を必要とする可能性が高かった(感度99%, 特異度57%)

 ・WS6の患者は病棟に入院する可能性が高かった(感度97%, 特異度47%)


まとめと個人的意見

・最初のWestley scoreが
 ・2点以下: 安全に帰宅することができる
 ・6点以上: 入院となる可能性が高い
ことが示唆された

・クループの所見の中で特徴的なものとして犬吠様咳嗽が知られている. 特に有名であるためにこの咳嗽の程度が重症度の指標とされることがあるが, もっとも一般的な重症度スコアリングシステムであるWestley scoreの項目としては含まれていないことには注意したい.

0 件のコメント:

コメントを投稿