Influenza-Associated
Pediatric Deaths in the United States, 2010-2016
Pediatrics 2018
Feb 12
米国における小児のインフルエンザ関連死について分析した研究
・2010-2011年シーズンから2015-2016年シーズンでの18歳未満のインフルエンザウイルス感染症で死亡した患者について分析
・インフルエンザウイルスは臨床検査で確認されている
結果
・675人に死亡が報告されている
・年齢の中央値は6歳(四分位範囲: 2-12歳)
・年間での平均死亡率は小児10万あたり0.15人(95%信頼区間[CI]: 0.14-0.16)
・年齢毎の死亡率では6か月未満が最も高かった(死亡率0.66; 95%CI 0.53-0.82)
・次に高いのが6-23か月であった(死亡率 0.33; 95%CI 0.27-0.39)
・6か月以上の小児でいずれかのインフルエンザワクチンを接種していたのは31%(149/477)
・65%は発症後7日以内に死亡していた
・約半数(327/654)の児は既往症を有していなかった
・既往症を有する患者と比較して, 既往症を有しない患者は:
・若い(年齢の中央値: 5 vs 8歳)
・ワクチン接種率が低い(27% vs 36%)
・入院前の死亡率が高い(77% vs 48%)
・罹病期間がより短い(4 vs 7日)
まとめと個人的意見
・abstractしか読んでいないのですが,
この報告では死亡率は特に6か月未満の児で高かったです.
これらの児は予防接種の対象外の年齢層ではありますが,
妊婦や世話をする人などが予防接種を行うことで6か月未満の児への感染が減らせる可能性が示唆されています.
従って,
こういった人たちに予防接種を徹底することで死亡率は低下させられるかもしれません
付記
・同じ著者が2010-2015年を対象とした研究も以前に発表していて, 概ね似たような結果でした(Online J Public Health Inform 2017; 9(1):
e077)
・同期間で死亡したのは590人
・上記以外での述べられていた内容としては以下のものがありました:
・インフルエンザAが65%, インフルエンザBが35%
・インフルエンザBでは敗血症/ショック(41%), 急性呼吸窮迫症候群(ARDS)(33%), 出血性肺炎/肺臓炎(8%)と診断された割合が高かった
・侵襲性細菌感染症の合併は43%で認めた
・主な病原体はβ溶血性Streptococcus (20%), Staphylococcus aureus (17%)・既往症のうち神経疾患(26%), 発達遅滞(21%)の頻度が高かった
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