Asthma and risk of
breakthrough varicella infection in children.
Allergy Asthma
Proc 2016; 37: 207-15
ミネソタ州オルムステッド郡での, 18歳未満の小児の喘息と水痘ワクチン接種者における水痘(breakthrough
varicella)の関連性を検討した集団ベース症例対象研究
・2005年1月1日から2011年12月31日にbreakthrough varicellaの基準を満たした患者を特定
・breakthrough varicellaの基準:
・全身性の丘疹・水疱の急性発症でその他の明らかな原因はなし
・水痘ワクチン接種後42時間以上経過してからの発症
・コントロールは以下の条件を満たしていて, 年齢と性別をマッチさせた人を登録:
・水痘ワクチンを1回以上接種している
・登録前に水痘感染症を発症していない
結果
・breakthrough varicella患者165人とコントロール330人が対象となった
・それぞれの平均年齢は6.6±3.5歳
・患者の83%は発疹数<50個
・水痘ワクチンの2回接種率: 患者 14%, コントロール 24% (OR 0.29)
ワクチン接種からの時間経過
・初回ワクチン接種から経過した時間はbreakthrough
varicellaのリスク上昇と関連していた
・ワクチン接種後から経過した時間が4年以内の場合と比較して, より時間が経過している場合にはリスクが上昇していた
・4-7年: OR 4.68
・>7年: OR 7.30
喘息との関連性
・初回のワクチン接種から経過した時間と接種回数を調整した場合, 喘息の既往のない児と比較して喘息の既往のある児ではbreakthrough varicellaの発症リスクは有意に上昇していた(OR 1.63)
・水痘ワクチン接種前3か月以内での吸入ステロイドや全身ステロイドの投与はbreakthrough
varicellaと有意に関連していた
まとめ・個人的感想
・喘息はbreakthrough varicellaの危険因子かもしれない.
・予防接種後に効果が減弱しやすい人や効果がでにくい人が一定数存在する. 高い予防効果を維持するために, そういった人の効果的な特定や対策が今後は求められるかもしれない.
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