2018年2月27日火曜日

5分と10分でのApgarスコアと脳性麻痺およびてんかんのリスク

Five and 10 minute Apgar scores and risks of cerebral palsy and epilepsy: population based cohort study in Sweden
BMJ 2018; Feb 8


5分と10分でのApgarスコアと脳性麻痺, てんかんとの関連性を検討した研究
1999年から2012年にスウェーデンで出生した正期産児を対象とした集団ベースコホート研究
・脳性麻痺とてんかんは最高16歳で診断されていた



結果

・研究対象となった集団において, 5分での低いApgarスコア(0-3あるいは4-6)の割合は以下のことにより上昇していた:
 ・母のBMI上昇
 ・母の身長が低い
5分でのApgarスコア 4-6はてんかんのある母から出生した児でより頻度は高かった
・低いApgarスコアの割合は分娩様式により異なり, 緊急帝王切開でもっとも高かった

脳性麻痺との関連性
1221(0.1%)の児が脳性麻痺と診断された
 ・発生率は1.5/10000小児-
5分でのApgarスコア10点の児と比較して, それよりも低いApgarスコアの児ではハザード比(HR)が上昇しており, Apgarスコアの低下と一致してHRは上昇しておた
 ・Apgarスコア9: HR 1.9
 ・Apgarスコア0: HR 277.7
10分でのApgarスコア10点の児と比較して, より低いApgarスコアの児ではHRが上昇していた
 ・Apgarスコア9: HR 2.4
 ・Apgarスコア3: HR 425.5

てんかんとの関連性
3975(0.3%)がてんかんと診断された
 ・発生率は5.1/10000小児-
5分でのApgarスコア10点の児と比較して, それよりも低いApgarスコアの児ではハザード比(HR)が上昇していた
 ・Apgarスコア3: HR 4.4
 ・Apgarスコア0: HR 11.9
5分での低いApgarスコアよりも10分での低いApgarスコアの方が強くてんかんと関連していた

5分と10分でのApgarスコアの変化
5分と10分でのApgarスコアが共にとても低い児でもっとも脳性麻痺のHRが高かった
5分から10分にかけてのApgarスコアの上昇は脳性麻痺のHR低下と関連していた
5分と10分でのApgarスコアが共に9-10の児と比較して, 5分のApgarスコア 7-8, 10分のApgarスコア9-10の児では脳性麻痺とてんかんのHRはより高かった



まとめ

・5分および10分での低いApgarスコアは脳性麻痺とてんかんのリスクであり, スコアが低いほどリスクは高まっていた

0 件のコメント:

コメントを投稿