2018年1月5日金曜日

ロタウイルス性下痢患者ではビタミンD値が低いかもしれない

Is there a relationship between low vitamin D and rotaviral diarrhea?
Pediatr Int. 2016; 58: 270-3

ビタミンD低値とロタウイルス性下痢の間の関連性を検討した研究
・対象: 年齢が48か月未満のロタウイルス性下痢で入院した患者70人と健康な患者67
・血清25ヒドロキシビタミンD- (25(OH)D3), パラトルモンカルシウムリン酸アルカリホスファターゼ全血算, CRPについて比較
・出生時体重生後6か月までの栄養習慣ビタミンDとマルチビタミンサプリメントロタウイルスワクチンもそれぞれの群で評価


結果
・性別と年齢に関して, 両群間で差はなかったが, 25(OH)D3は有意に低かった
 ・ロタウイルス性下痢患者では14.6±8.7ng/mL, 健常コントロールでは29.06±6.51ng/mLであった(P < 0.001)
 ・PTHロタウイルス性下痢患者で有意に高かった
血清25(OH)D3 <20ng/mL(OR 6.3; 95%CI: 3.638-10.909; P < 0.001)はロタウイルス性下痢と関連していた


まとめ
・ロタウイルスによる下痢で入院した患者ではビタミンD低値がみられており, 病態形成に関与しているかもしれない
・ビタミンDがロタウイルスによる下痢に対して防御的に働いている可能性が動物実験では示されているようで, ヒトでもビタミンD低値を改善させることでロタウイルスによる下痢を軽減させられるかもしれないことが示唆されており, 今後の検討が求められる

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