2018年1月25日木曜日

体位性頻脈症候群の危険因子

Risk factors for postural tachycardia syndrome in children and adolescents.
PLoS One 2014; 9(12): e113625


体位性頻脈症候群(POTS)における危険因子を検討した研究

7-18歳の600人の小児が危険因子の特定のため選ばれ, それ以外で197人がvalidation groupで登録された
 ・児は河南省開封市で無作為に選ばれた
・起立試験中に心拍数(HR)と血圧(BP)がモニターされた
・以下の基準をいずれも満たすものをPOTSとした:
 ・HR40bpm以上の上昇or 最大HR120bpm以上
 ・最低3か月の間, 10分以上の起立中にめまい, 立ちくらみ, 胸部圧迫感, 頭痛, 動悸, 目のかすみ, 倦怠感, 失神のうち1つ以上を認める


結果

600人のうち41(6.8%)POTS患者であることが確かめられた
POTS罹患児と非罹患児とを比較した場合に以下の点で差が見られた:
 ・1日の水分摂取量
 ・1日の睡眠時間
 ・仰臥位でのHR
 ・起立試験中のHR上昇と最大HR
・児の状態とPOTSの頻度:
 ・仰臥位でのHR10bpm上昇: POTSの頻度は1.583倍上昇
 ・1日の水分摂取量≦800mL: POTSの頻度は3.877倍上昇
 ・睡眠時間が8時間未満: POTSの頻度は5.905倍上昇
・仰臥位でのHR, 1日の水分摂取量, 1日の睡眠時間では, POTSの予測能は感度80.5%, 特異度75%
 ・validation groupにおいては感度73.3%, 特異度72.5%であった


まとめ

・仰臥位でのHR, 1日の水分摂取量, 睡眠時間がPOTSの危険因子であった


雑感

・POTSの児では入眠困難を伴いやすいため, 睡眠時間が遅くなる傾向がある. 一方, 学校に登校するために起床時間を遅らせることはできない. その結果として睡眠時間が減少して症状が改善しないか増悪する可能性があるのではないかと考えている.

0 件のコメント:

コメントを投稿