Risk Factors for
Febrile Urinary Tract Infection in Children with Prenatal Hydronephrosis: A
Prospective Study.
J Urol 2015; 193(5
Suppl): 1766-71
出生後に確認された先天性水腎症のあった小児における,
発熱を伴う尿路感染症の危険因子を検討した前方視的研究
・対象: 2010-2013年に先天性水腎症が観察された患者
・異所性尿管開口, 尿管瘤, 後部尿道弁は除外
・年齢, 水腎症grade, タイプ(単独の水腎症vs水腎水尿管症), 持続的抗菌薬予防投与, 膀胱尿管逆流(VUR), 性別, 割礼状況といった危険因子を分析
結果
・334人の患者のデータ収集された
・男児が78%
・65人(19%)の患者が経過観察中に発熱を伴う尿路感染症を発症
・発症年齢の中央値は4か月(1-31か月)
・高度の水腎症(grade 3 or 4)は192人(57%)で認められた
・持続的な抗菌薬予防投与は96症例(29%)で行われた
・そのうち69%が高度の水腎症を有していた
・VUR: 排尿時膀胱尿管造影が行われた238人中57人(24%)で認められた
・VURの程度: grade I-IIIが14例, grade IV-Vが43例
・VURの患者の2/3で持続的な抗菌薬予防投与が行われていた
・割礼は95人の男児(36%)で行われていた
・Cox比例回帰により特定された発熱を伴う尿路感染症の危険因子:
・女児(ハザード比[HR] 3.3)
・割礼を受けていない男児(HR 3.2)
・水腎水尿管症(HR 10.9)
・VUR(HR 20.8)
・持続的な抗菌薬予防投与を受けていない(HR 5.2)
・膀胱尿管逆流を除外したサブグループ分析でも高度の水腎症は有意な危険因子であった(HR 3.0)
まとめ
・VURを伴う場合では尿路感染症には特に注意が必要ではあるが, VURがない場合でも尿管拡張を伴う症例や高度の水腎症症例の場合には特に尿路感染症には注意してフォローすべきだろう
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