Rhinovirus in
Febrile Infants and Risk of Bacterial Infection
Pediatric 2018 Jan
17
日齢90以下の発熱している児におけるライノウイルス感染症と細菌感染症のリスクを評価した後方視的研究
・発熱しているwell-appearing(元気にみえる)の日齢90以下の小児が対象
・PCRで呼吸器ウイルスについて検査(RVPCR)を行った
・ヒトライノウイルス(HRV)やその他のウイルスの検出状況に応じて, 児は3群に分けられた
・HRV陽性
・HRV以外のウイルス陽性
・ウイルスの検出なし
・細菌感染症として尿路感染症(UTI)と侵襲性細菌感染症(菌血症や髄膜炎)のリスクを評価
結果
・10964人の小児が特定され, そのうち4937人(37%)でPVPCRが行われていた
・そのうち2212人(55%)で呼吸器ウイルスが陽性で, 1392人(35%)でHRV陽性であった
細菌感染症のリスク
・HRV陽性群ではHRV以外のウイルス陽性群よりも細菌感染症の頻度は高かった(7.8% vs 3.7%; 相対リスク[RR] 2.12)
・HRV陽性群ではいずれの年齢でもUTIのリスクの変化はなかった
・日齢29-90の児において, HRV陽性群ではウイルスの検出がなかった群よりもIBIのリスクは低かった(2.5% vs 9.1%; RR 0.52)
・日齢1-28の児では有意なリスク低下はみられなかった
・日齢29-90の児において, HRV以外のウイルス陽性群ではウイルスの検出がなかった群よりもUTIのリスクは低かった(2.5% vs 9.1%; RR 0.36)
まとめ
・日齢29-90の発熱しているwell-appearingの児では,
ライノウイルスが検出された場合には侵襲性細菌感染症のリスクは低下しているかもしれない
・RSウイルスやインフルエンザウイルスにおいても,ウイルスが検出された場合には細菌感染症のリスクが低下することが知られている. ただしこれらのウイルスとは異なり,・HRVでは簡単にウイルスを検出する方法がない
・リスクの低下も大きくはない
ことから, 現時点では実臨床に生かすには難しいだろう.
0 件のコメント:
コメントを投稿