2017年12月19日火曜日

川崎病患者の治療としてのインフリキシマブに関する日本での全国調査

Infliximab for the Treatment of Refractory Kawasaki Disease: A Nationwide Survey in Japan.
J Pediatr 2017 Dec 7

川崎病(KD)患者の治療としてのインフリキシマブ(IFX)の安全性と効果を調べた日本での全国調査
・日本国内274施設での調査
・研究対象期間: 20055月から201411
・患者の性別, 年齢, 治療経過, IFX治療前後の血液検査結果, 冠動脈病変(CALs), 副作用(AEs)を評価


結果
・KD患者434人を分析
・年齢の中央値は33か月(1-138か月), 66(15.2%)1歳未満
・全例において, IFXは追加治療であった
 ・275(63.4%)3回目の治療として, 106(24.4%)4回目の治療として投与された
・IFXの開始時の病日の中央値は9であった
・IFX 5mg/kg単回投与は412(94.9%)の患者に対して行われた

臨床経過
・IFX投与後363(83.6%)2日以内に発熱を認めなくなり, 白血球数, 好中球比率および血清CRP値は有意に低下した(P<.001)
119(27.4%)は追加治療を受けた
18AEs69(15.9%)で観察されたが重篤なAEsは少なく可逆性であった

CALs
・IFX投与前, 132(30.4%)はすでにCALsを発症していた
 ・IFX投与前にCALがあった患者32(24.2%)CAL重症度の増悪を示した
・IFX投与前にCALsのなかった患者のうち, 31(10.3%)IFX投与後に新たに発症した 


まとめ
・IFX治療は高い頻度で解熱を得られているが, その後に追加治療を必要とした例も少なくはなく, 投与群ではCALsの発症率も高い
・IFXの効果は期待できると思われるが, 難治例であることには変わりなく, IFX投与後でもCALs発症のリスクは低くないことには気をつけるべきであろう. 

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