2017年12月29日金曜日

難治性胃食道逆流疾患のある小児では牛乳アレルギーの有病率が高い

Food allergy in children with refractory gastroesophageal reflux disease.
Pediatr Int 2016; 58: 254-8


難治性胃食道逆流のある小児における食物アレルギーの頻度を調べた研究
・薬物的GERD治療へ抵抗を示す151人の小児(3-60か月)全員に皮膚プリックテスト, 特異的IgE, 好酸球数, アトピーパッチテスト(APT), 経口食物負荷試験
・経口ミルク負荷試験とアレルギー精査の結果に応じて3群に分けた:
 ・A1: 経口ミルク負荷試験, IgE介在性アレルギー検査がいずれも陽性
 ・A2: 経口ミルク負荷試験陽性でIgE介在性アレルギー検査陰性
 ・B: 経口ミルク負荷試験, IgE介在性アレルギー検査がいずれも陰性




結果

・患者151人は以下の3群に分けられた:
 ・A1: 35人(23.2%)
  ・28人で牛乳アレルギーがみられた
  ・その他の7人は鶏卵アレルギーのみであったがA1群に加えた
 ・A2: 30人(19.9%)
 ・B: 86
好酸球数と総IgEA2群とB群よりもA1群で有意に高かった
APT陽性の頻度はA2群でもっとも頻度が高かった
好酸球性食道炎はA1群患者6, A2群患者4人で観察された
 ・好酸球性食道炎は内視鏡での生検において>20好酸球数/HPFと定義された
嘔吐, 反復性もしくは慢性下痢A2群で有意に多かった
血便, アトピー性皮膚炎, 反復性の喘鳴エピソードA2群とB群よりもA1群で有意に頻度が高かった




まとめ

・難治性胃食道逆流のある小児では牛乳アレルギーを有する頻度が高く, 牛乳アレルギーのタイプにより臨床像はやや異なるようである

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