Clinical
Manifestations and Treatment Outcomes of Eosinophilic Gastroenteritis in
Children.
Pediatr
Gastroenterol Hepatol Nutr 2015; 18(4): 253-60
小児の好酸球性胃腸炎(EGE)の臨床症候と治療転帰を評価した後方視的研究
・1993年から2014年までの期間にSeoul National University Children’s Hospital小児科でEGEと診断された24人が対象
・臨床症候, 治療, 転帰を診療録から再検討
結果
・発症時の平均年齢は4.4歳(1.0-14.6歳)で診断時の平均年齢は5.3歳(1.4-15.2歳)
・主な症状: 腹痛(45.8%), 下痢(54.2%), 嘔吐(37.5%), 体重減少(25.9%), 下血(25.0%), 腹水(16.7%), 浮腫(29.2%)
・アレルギー歴:
・主なアレルギー性疾患: アレルギー性鼻炎(33.3%), アトピー性皮膚炎(20.8%), 喘息(8.3%)
・全体では54.3%にアレルギーの既往がみられた
臨床検査での評価:
・白血球増加(≧10000/μL): 79.2%
・好酸球増加(≧500/μL): 91.7%
・ピークの好酸球数の平均: 4913/μL
・低アルブミン血症(<3.3g/dL): 62.5%
・赤沈亢進(≧20mm/hr): 13%
・CRP上昇(≧0.5mg/dL): 38%
・貧血: 54.2%
・総IgE上昇: 37.5%
・便中αトリプシン値上昇により蛋白漏出性胃腸症が6人(25.0%)で確認された
・Class 2以上の結果と陽性と判断した, 食物multiple allergen simultaneous testの結果では41.7%の患者で陽性がみられた
内視鏡検査:
・9人で下部内視鏡検査, 16人で上部内視鏡検査, 2人で両方の検査が施行された
・内視鏡所見: 胃十二指腸潰瘍(12.5%), 胃炎(54.2%), 十二指腸炎(45.8%)
・生検での病型分類: 粘膜型18人, 筋層型 1人, 漿膜下型5人,
・消化管別の好酸球の浸潤の頻度: 胃(50%), 十二指腸(50%), 結腸(29.2%), 回腸(16.7%), 食道(12.5%)
管理:
・9人では食物アレルギー歴と食物特異的IgE検査結果に基づいて食物制限が行われた
・5人で症状が改善して4人ではステロイドを必要とした
・19人の患者が4-12週間ステロイドで治療された
・ステロイドは78%の患者で効果を示した
・57.9%の患者でステロイド中止後に再発はみられなかった
・4人(21.1%)の患者ではステロイド中止後に症状が再燃した(ステロイド依存群)
・1人では代わりにアザチオプリンが投与されたが4か月間で症状は改善しなかった
・その他の4人(21.1%)ではステロイド治療に反応を示さなかった(ステロイド抵抗群)
・そのうち2人はアザチオプリンによる治療を受け, うち1人は症状が軽減
・5人の患者で寛解維持のためにモンテルカストが投与された
・3人では再発はなく2人ではステロイド治療を必要とした
・胃十二指腸潰瘍の存在は再発とステロイド抵抗性と有意に関連していた
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