The Clinical
Utility and Safety of a New Strategy for the Treatment of Refractory Kawasaki
Disease.
J Pediatr 2017;
191: 140-4
難治性と予測される川崎病(KD)におけるメチルプレドニゾロン静注(IVMP)と免疫グロブリン静注(IVIG)の併用療法,
および第2-4の治療を組み合わせたプロトコールを評価した前方視的研究
・研究期間: 2007年4月から2016年4月
・施設: 北里大学病院
・Egami scoreで難治性と予測された患者には以下のようなプロトコールで治療を行った:
・第1治療: IVMP (メチルプレドニゾロン30mg/kg 2時間で静注) → IVIG (2g/kg/日)
・第2治療: IVIG (2g/kg/日)
・第3治療:
①6か月以上前にBCGを接種している: インフリキシマブ(IFX) 5mg/kg 2時間で静注
②上記に該当しない: 血漿交換(3日間) (補助的にIVIG 2g/kg/日)
・第4治療:
・①の場合: 血漿交換(3日間) (補助的にIVIG 2g/kg/日)
・それぞれの治療で, 投与後36時間で腋窩温≧37.5℃の場合, 次のステップの治療を施行
・診断時, 診断後1か月, 1年で冠動脈を評価
・Egami score: 下記のスコアの合計で3点以上を難治性と判断
・診断時年齢<6か月: 1点
・診断時の罹病期間<4日: 1点
・血小板数<30万/μl: 1点
・CRP≧8mg/dL: 1点
・ALT>80IU/L: 2点
結果
・365人のKD患者のうち71人が難治性であった
・年齢の中央値2.4歳 (範囲: 4か月-8.6歳)
治療経過
・71人中58人(81.6%)が第1治療に効果を示した
・13人中9人(69.2%)が第2治療に効果を示した
・第3治療は, 3人がIFXで1人が血漿交換で治療された
冠動脈異常
・診断時に71人中18人(25.3%)で冠動脈異常を認めた
・回復期での冠動脈拡張:
・診断後1か月: 13人
・診断後1年: 6人
・冠動脈瘤(CAA)を形成した患者はいなかった
IVMPの副作用
・主な副作用:
・一過性低体温(<36℃): 16例
・一過性高血圧(収縮期血圧>120mmHg): 5例
・徐脈(心拍数<60bpm): 2例
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・RAISE studyとは異なるアプローチでIVIG不応を予測してステロイドを併用する治療戦略であるが, 単施設研究でRCTではないため, どうしてもRAISE studyに比べるとパワーが物足りないように感じる
・second-line以降の治療もプロトコールに組み込まれているのが強みではあるが, 血漿交換が組み込まれていると急に敷居が高くなっているように感じられる
・RAISE studyにおけるプレドニゾロン投与がIVMPに置き換える事ができるのであれば有用性はありそうである(プレドニゾロンの投与期間が長いため)
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