2017年12月4日月曜日

小児急性胃腸炎患者において体重減少と尿酸値には相関性がみられた

Uric acid and dehydration in children with gastroenteritis.
Pediatr Int 2017; 59: 1151-6


小児の急性胃腸炎での脱水における血清尿酸(UA)値と体重減少の相関性を調べた前方視的研究
・急性胃腸炎で入院した1-71か月の小児の前方視的観察研究
8日以上のAGEの症状や慢性疾患がある患者やデータが不十分な患者は除外
・高尿酸血症は血清(UA)7.0mg/dLと定義


結果
148人の小児が登録され, そのうち51人が除外され97人が対象となった
 ・ロタウイルス胃腸炎が49, その他の胃腸炎が43
97人中62(64%)で高尿酸血症が認められた
 ・血清UA10mg/dLの頻度は男女で有意差なし
・対象者の脱水: 40(41%)が軽度, 33(34%)が中等度, 24(25%)が重度
血清pHHCO3は前後の脱水での体重変化と有意に相関していた
 ・血清UAとも有意に相関していた
血清UAは前後の脱水での体重変化と有意に相関していた
・血清UA脱水の重症度に沿って上昇していた(軽度, 中等度, 重度でそれぞれ7.6±2.9mg/dL, 8.8±3.7mg/dL, 10.2±3.7mg/dL)
・重症脱水の発見のためのカットオフ値毎の感度・特異度:
 ・血清UA 7.0mg/dL: 感度75% / 特異度38%
 ・血清UA 8.0mg/dL: 感度71% / 特異度52%
 ・血清UA 9.0mg/dL: 感度54% / 特異度66%
 ・血清UA 10.0mg/dL: 感度38% / 特異度74%
ロタウイルスによる胃腸炎とその他による胃腸炎で血清UAや体重変化に関して有意差は認めなかった


まとめ
・血清UAは急性胃腸炎での脱水による体重変化と相関性がみられ, 特にベースラインの体重が不明な患者での臨床的評価には有用かもしれない.
・ただし, 重症脱水のある患者の25%は血清UA<7mg/dLであり, 全身状態やその他の
臨床状態と組み合わせて用いる必要はあるだろう

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