Effective Duration
of Antimicrobial Therapy for the Treatment of Acute Lobar Nephronia.
Pediatrics 2006;
117(1): e84-9
小児急性巣状細菌性腎炎(acute
lobar nephronia; ALN)の治療において2週間と3週間の治療期間を比較検討した前方視的研究
・ALN診断のための上部尿路感染症が疑われた患者では腹部超音波検査とCTを施行し, そのうちCT所見でALNと診断された患者が対象
・抗菌薬治療期間が2週間の群と3週間の群のいずれかに無作為に患者を割り付けた
・抗菌薬は静注で開始して, 解熱後2-3日経過したら経口投与に変更
・抗菌薬中止後3-7日で, 経過観察での臨床的評価と尿培養を施行
・持続的感染or再発を治療失敗と考えた
結果
・80人がCTでALNと診断された
・39人が3週間治療, 41人が2週間治療に割り付けられた
・入院前の発熱期間の多くは4日間以下
・2週間治療群の9人, 3週間治療群の10人は尿培養で明らかな病原体が分離されなかった
・血液培養は両群あわせて4人(5%)で陽性
・両群あわせて69人でVCUGが施行され, 39%で膀胱尿管逆流(VUR)を認めた
治療転帰
・全体として7人(8.8%)の患者で治療失敗がみられ, 全例が2週間治療の患者であった
・2週間治療群のうちでは治療失敗率は17.1%
・1人が持続的感染で, 6人が再発
・治療失敗例ではさらに10日間の追加の抗菌薬治療を行い改善した
2週間治療群での治療失敗例と成功例の比較
・治療失敗例では成功例と比較して以下の特徴が認められた:
・入院前の有熱期間が長い(6.00±5.54 vs 3.47±2.16日)
・E. coli感染症の頻度が高い(100% vs 52.9%)
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