Effects of
Intrapartum Antibiotic Prophylaxis on Neonatal Acquisition of Group B
Streptococci.
J Pediatr 2017;
190: 169-73.e1
母体B群溶連菌(GBS)保菌と分娩中の抗菌薬予防投与(IAP)によって影響される新生児期でのGBS定着の発生率を評価した研究
・研究期間: 2014年10月から2015年5月
・730人の新生児から, 鼻咽頭スワブおよび直腸スワブ検体が生後1週と1か月の時点で採取された
・GBSと莢膜血清型はRT-PCRと培養によって特定
結果
・64人の新生児(8.8%)がRT-PCRおよび培養でGBS陽性であった
・GBSを保菌している母から出生した新生児(n=107)のうち, 94.4% (101/107)で母体IAPが行われていた; それにも関わらず, 19.6%がGBS陽性であった
・保菌していない母から出生した新生児の6.5%がGBS陽性であった
・IAPを受けた母から出生した新生児のうち, 生後1週と1か月で両方陽性であった児よりも生後1か月のみで陽性であった児の方が多かった
・IAPを受けた母から出生した児におけるGBSの頻度はIAPを受けていない新生児よりも有意に低かった(P < .05)
・莢膜血清型Ⅴ(25%)およびⅢ(23.4%)がよくみられ, Ib(15.6%), Ia(14.1%), Ⅱ(7.8%), Ⅳ(6.3%), nontypable (4.7%), ⅥとⅧ(それぞれ1.6%)が続いた
まとめ・個人的感想
・以前から指摘されている通り,
分娩時の抗菌薬予防投与は遅発型に対する予防効果はありません(MMWR Morb Mortal Wkly Rep 2007).
・遅発性の定着が今回の研究で確認されており,
また当然のように,
母がGBS陰性で児がGBS陽性の症例も存在することから,
結局のところ感染徴候の新生児全員でGBS感染症は考えなければなりません.
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