2017年11月14日火曜日

小児洞性徐脈の長期的予後と機序

Long-term Outcomes of Pediatric Sinus Bradycardia.
J Pediatr 2013; 163: 885-9

小児洞性徐脈の長期的転帰と機序について評価した研究
432166人のelementary schoolの学生と高校生を対象とした検査で判明した洞性徐脈を有し、10年間経過観察された者が対象
・臨床経過, 心拍変動性, 過分極活性型カチオンチャネル(HCN4)遺伝子について評価した


結果
・全体で104人(0.025%)に洞性徐脈を認めた
・年齢は15.5±0.2平均心拍数は48.4±0.4/分
・86人(83%)の参加者が臨床的評価に応じ, 37人(36%)に対して臨床検査を行った
37.8%は運動選手
・10年間で15人(17%)で自然回復した失神のエピソードを認めた
 ・致死的なエピソードはなし
・Holter心電図の記録では, 心拍数が30/分未満となったり3秒以上心拍が停止した参加者はいなかった
・67人の年齢と性別をマッチさせたコントロール群と比較して, 洞性徐脈群では心拍変動性が有意に大きく, 副交感神経活性がより強いことが示唆された
・遺伝子変異分析の結果では, HCN4遺伝子の変異を認めた者はいなかった


まとめ
小児洞性徐脈の転帰は良好であると考えられ, 副交感神経活性がより強いことが原因として推定された

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