2017年11月30日木曜日

自閉症スペクトラム障害のある児では鉄欠乏やビタミンD欠乏がみられやすい

Iron and vitamin D levels among autism spectrum disorders children.
Ann Afr Med 2017; 16(4): 186-91

自閉症スペクトラム障害(ASD)のある小児における鉄欠乏性貧血とビタミンD欠乏症の検索, および危険因子の重要性を評価した研究
ASD患者および同等の数のコントロールを比較した症例対照研究




結果

・平均年齢はASD患者5.38±1.66, コントロール5.62±1.81
ASD患者ではコントロールと比較して血清鉄の平均値は有意に低かった(74.13±21.61μg/dL(中央値74) vs コントロール87.59±23.36μg/dL)
ASD患者ではコントロールよりもビタミンD欠乏症の頻度が高かった(18.79±8.35ng/mL vs 22.18±9.00ng/mL)
ヘモグロビン, フェリチン, マグネシウム, リン, Ca, 血糖, アルカリホスファターゼ, ヘマトクリット, 白血球数, 平均赤血球容積の平均値はASD患者よりも健康なコントロールで統計学的に有意に高かった
・多変数ロジスティック回帰分析では以下の項目がASDの強力な予測因子で, 主要な要因となりえることが明らかにされた: 血清鉄欠乏, 血清Ca, 血清ビタミンD, フェリチン, 身体活動減少, 子供の出生順位, BMIパーセンタイル, 親との密接な関係




まとめ・個人的感想

・多くの変数で実際に関連性があるかは別として, 偏食が認めやすい自閉症スペクトラム障害のある児では鉄欠乏やビタミンD欠乏が発生しやすいだろう
・自閉症スペクトラム障害のある児ではこれらの項目に注意しつつ, 介入するとどのような有益性が存在するかは今後の評価の課題だろう

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