小児における水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)感染症と中枢神経合併症

Central Nervous System Complications of Varicella-Zoster Virus.

J Pediatr 2014; 165: 779-85

小児における水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)感染症の中枢神経合併症について調べた研究

・1999年1月から2012年12月までの間でThe Hospital for Sick Childrenに入院した小児が対象
・対象年齢: 1か月～18歳
・症例は特徴的な発疹 or 確定的な臨床検査で診断された
・感染症発症から4週間以内に発生したものを神経学的合併症と定義
　・脳梗塞に関しては画像検査が特徴的でその他の原因が除外されている場合, 6か月以内に発症したものを関連ありとした

結果

・VZV関連中枢神経合併症の入院は84例
・年齢の中央値は7.3歳 (4か月～16.5歳)
・81%の症例は基礎疾患を有しなかった
・ワクチン接種状況は4例のみが接種されており, 55例は未接種, 25例は不明
・中枢神経合併症:
　・急性小脳失調症: 26例
　・脳炎: 17例
　・単独のけいれん発作: 16例
　・脳梗塞: 10例
　・髄膜炎: 10例
　・Guillain-Barré症候群: 2例
　・急性散在性脳脊髄炎: 2例
　・Ramsay Hunt症候群: 1例
・発疹出現後から中枢神経合併症の発症までの期間の中央値は5.0日 (-6日～16日)
・発疹出現後から脳梗塞発症までの期間は2週から26週(中央値16週)であった
・脳炎患者3人が死亡した
・発症後1年での後遺症の残存は経過観察データのある39例中9例(23%)でみられた