Trial of
Amitriptyline, Topiramate, and Placebo for Pediatric Migraine.
N Engl J Med 2017;
376: 115-24
小児片頭痛の予防薬
・片頭痛の治療薬としては症状がある急性期に用いる薬と症状を予防するために用いる薬があり, それぞれ種類が異なる・片頭痛の治療ではまず症状出現時に薬を用いて, それで症状のコントロールが不十分な場合に予防薬の使用が考慮される.
・予防薬としてはシプロヘプタジンやアミトリプチリン, トピラマートなどが効果を示した薬剤として報告されている(Pediatric Migraine. Neuron Clin 2009; 27(2): 481-501).
・しかし予防薬の効果の評価は難しく, 実際に薬理効果で症状が改善しているかどうかははっきりしていない点もある.
小児片頭痛患者に対してのアミトリプチリン,
トピラマート,
プラセボを用いた予防効果を検討した多施設二重盲検無作為対象試験
・対象: 8-17歳の小児片頭痛患者
・それぞれの薬剤は24週間投与
・ベースとなる28日での頭痛日数と比較して, 治療期間での最後の28日での頭痛日数が相対的に50%以上の減少を主要評価項目とした
・頭痛関連障害, 頭痛日数, 臨床試験完遂者の数, 治療期間中に生じた重篤な有害なイベントを副次評価項目とした
結果
・361例を無作為化し, そのうち328例で分析を行った
・アミトリプチリン144例, トピラマート145例, プラセボ72例
・患者の平均年齢は14.2±2.4歳で, 68%が女児
・最初の28日で頭痛があった日数の平均は11.4±6.1
・アミトリプチリン144例, トピラマート145例, プラセボ72例
・患者の平均年齢は14.2±2.4歳で, 68%が女児
・最初の28日で頭痛があった日数の平均は11.4±6.1
・50%以上頭痛日数が減少したのはアミトリプチリン, トピラマート, プラセボ群でそれぞれで51%, 55%, 61%で有意差なし
・頭痛関連障害の程度は3群で有意差なし
・臨床試験を最後まで完遂できたのはアミトリプチリン, トピラマート, プラセボ群でそれぞれで80%, 78%, 89%で有意差なし
・頭痛関連障害の程度は3群で有意差なし
・臨床試験を最後まで完遂できたのはアミトリプチリン, トピラマート, プラセボ群でそれぞれで80%, 78%, 89%で有意差なし
・有害イベントとしては, プラセボ群と比較して, アミトリプチリン群では倦怠感, 口渇が, トピラマート群では知覚障害, 体重減少が有意に多かった
まとめ
個人的感想
・今回の研究では片頭痛の予防薬の効果はプラセボと同等でしたが, これは頭痛がどの程度減少したかなどの評価が異なると結果が変わることが予想されますので, 効果の有無の判断にはさらなる検討が必要そうです.
・今回の研究結果でもそうでしたが, 片頭痛の場合にはプラセボでも予防効果を示す割合が低くないことは目を引きます.
改訂
2018/3/8: 片頭痛の予防について, およびその他の内容で一部追記
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