2017年10月10日火曜日

小児におけるインフルエンザで入院した患者のA型とB型での比較

Pediatrics 2016; 138(3): e20154643



インフルエンザで入院した小児患者のA型B型で比較した研究

方法

Canadian Immunization Monitoring Program Active (IMPACT)12の小児専門施設で入院した患者が対象となった
・対象期間: 2004-2013年の8シーズン (2009年のパンデミック時を除く)
・臨床検査で確認されたインフルエンザで入院した16歳以下の小児の臨床的特徴と転帰を比較した




結果

・インフルエンザB型1510, インフルエンザA型2645例が対象となった
 ・シーズンごとでインフルエンザB型はインフルエンザ関連入院の15.5-58.3%を占めた
 ・インフルエンザB型が占める割合は, B型のワクチンがマッチしたシーズンと比較してマッチしなかったシーズンで有意に高かった
・年齢の中央値はB型 3.9歳 vs A型 2.0歳であった
・インフルエンザB型ではインフルエンザA型と比較してワクチンが適応となる状態を有する頻度が高かった(43.1% vs 36.9%)

・インフルエンザB型ではインフルエンザAと比較して以下の症状が見られる頻度が有意に高かった: 頭痛, 腹痛, 筋肉痛
 ・A型と比べてB型では筋炎と診断される割合が高かった
・多変量モデルでは独立して以下のものとインフルエンザB型関連肺炎の間で関連性がみられた:
 ・6-23か月および24-59か月(生後6か月未満と比較して)
 ・ワクチンが適応となる状態
死亡率はインフルエンザBの方がインフルエンザAより高かった(1.1% vs 0.4%)
 ・年齢と健康状態の調整後ではOR 2.65

・インフルエンザBに罹患した健康な小児において, 10歳以上ICU入院のリスク上昇と関連していた(生後6か月未満と比較して)



まとめ

小児のインフルエンザで入院した患者において, A型と比べてB型では
・頭痛, 腹痛, 筋肉痛がみられやすいかもしれない
・死亡率が高いかもしれない

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