2017年10月27日金曜日

細気管支炎での入院中における無呼吸の危険因子

Apnea in children hospitalized with bronchiolitis.
Pediatrics 2013; 132(5): e1194-201

細気管支炎で入院している小児における無呼吸の危険因子を検討した前向き研究
・2007-2010年に16の医療機関に細気管支炎で入院した2歳未満の小児が対象
・鼻咽頭吸引検体を全患者から採取して、16ウイルスについてRT-PCRも用いて調べた
・在胎37週未満で出生した児は年齢は修正



結果

・対象者2207人中, 2156人のデータを使用して検討が行われた
 ・年齢の中央値は4か月
・28%で呼吸補助(i.e. CPAPや気管内挿管)が行われた
・入院患者の無呼吸は108人(5%)で認めた
 ・78%は入院後2日以内に初回の無呼吸が観察されていた
 ・80%は入院中の1日のみで無呼吸がみられた(12%は2日, 8%は3日以上)
・入院中の無呼吸発作の独立予測因子:
 ・修正年齢<2週(オッズ比[OR] 9.67), 2-8週(OR 4.72)
  ・生後6か月以降の小児と比較した場合
 ・出生時体重<2.3kg (OR 2.15)
  ・出生時体重≧3.2kgと比較した場合
 ・今回の細気管支炎エピソード中での, 保護者による入院前の無呼吸の報告(OR 3.63)
 ・入院前の呼吸数<30回/分(OR 4.05), 30-39回/分(OR 2.35), >70回/分 (OR 2.26)
  ・入院前の呼吸数 40-49回/分と比較した場合
 ・入院前のroom airでのSpO2<90%
主要なウイルス感染源で無呼吸のリスクは同等だった



まとめ

・細気管支炎における無呼吸の危険因子としては
 ・(修正)年齢<8週の低年齢
 ・出生時体重が軽い(<2.3kg)
 ・入院前の無呼吸
 ・入院前の呼吸数が少ない or 多い
 ・入院前のSpO2<90%未満
が挙げられた




個人的感想

・今回挙げられた危険因子があれば入院管理とすることは多いと思います. 今回の危険因子は無呼吸は別として細気管支炎での呼吸状態が良くないことを示唆する所見や, 呼吸状態の悪くなることを予測させるものの印象があるためです.
・SpO2持続モニタリングもメリットばかりではないので, SpO2持続モニタリングを選択的に行う場合には今回のような危険因子が特に参考になるかとは思います.

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