熱性けいれん(FS)と鉄欠乏・鉄欠乏性貧血(IDA)との関連性はいくつも報告がある
・FS患者と非FS患者の血清フェリチン値を調べた研究では, 血清フェリチン値<20ng/dLであった割合がFS患者で有意に高かった(56.6% vs 24.8%)
(seizure 2012; 21(8): 603-5)
・この報告ではHb値はFS患者で有意に低かったが, MCVは有意差が認められなかった
・FS患者と健康なコントロールとを比較した別の報告では, FS患者はHb, MCV, 血清フェリチン値が有意に低かった
(Mymensingh Med J 2013; 22(29: 275-80)
・単純型FS患者に限った症例対象研究でも鉄欠乏がFSの危険因子となりえることが示唆されている
(Indian Pediatr 2012; 49(1): 17-9)
・2014年, 2016年にも症例対象研究が報告され, 鉄欠乏およびIDAが危険因子となりえることが指摘されている
・2014年のシステマティックレビューとメタアナリシスでは, IDAはFSの中等度リスク上昇と関連していた
単純型と複雑型
・複雑型FSでは単純型FSと比較してIDAを有する率が高いことが報告されている(16.2% vs 12.1%)(Seizure 2012; 21(3): 211-4)
反対の報告
・初回のFS患者と健康なコントロールとを比較した症例対象研究で, FS患者の方がIDAを有する頻度が低かったまとめ
鉄欠乏や鉄欠乏性貧血は熱性けいれんの危険因子となりえる可能性が高そうではあるが, 逆の結果となった報告もあるため, さらなる検討が必要であるまた事前に鉄欠乏や鉄欠乏性貧血がある小児に鉄補充を行うことで予防的になるかどうかは不明である
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