2017年9月24日日曜日

皮膚膿瘍の外科的ドレナージ後のST合剤投与と治療失敗および再発の関連性

Trimethoprim-Sulfamethoxazole Therapy Reduces Failure and Recurrence in Methicillin-Resistant Staphylococcus aureus Skin Abscesses after Surgical Drainage
J Pediatr 2016; 169: 128-34

皮膚膿瘍の外科的ドレナージ後の3日間と10日間での抗菌薬が治療失敗や再発に関連するかどうかを調べた無作為試験
・研究対象期間: 2010年2月〜20122
・救急外来で, 外科的ドレナージを必要とした合併症のない皮膚膿瘍に罹患した3か月から17歳の小児
・外科的ドレナージ後にST合剤の投与を行い, 3日間と10日間のいずれかに無作為に割り付けた


結果
249人が対象となった
・膿瘍の部位は上半身より下半身の方が頻度は高かった
37%の患者で皮膚膿瘍の既往歴を有していた
・培養の87%でStaphylococcus aureusが発育した
 ・55%MRSA, 32%MSSAであった
・培養の11%でその他の病原体が発育して, 2%では発育はみられなかった
・副作用は17.5%で報告された
 ・主な副作用: 下痢, 嘔気, 嘔吐, 発疹, 腹痛
 ・3日間と10日間の投与群で副作用の発生率に有意差はなかった
13(5%)の患者で治療失敗がみられた
すべての患者では, 3日間と10日間との間で治療失敗率に有意差はみられなかった
MRSAが発育した患者に限ると, 10日間と比較して3日間の投与群では以下の特徴がみられた:
 治療失敗率は有意に高かった
 ・外科的ドレナージ後1か月以内での感染症再発の発生率が有意に高かった

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