Neonatal
Phototherapy and Infantile Cancer.
Pediatrics 2016;
137(6): e20151353
新生児の光線療法と1歳までの悪性腫瘍発症との関連性を調べた研究
・対象: 1998-2007年に在胎35週以降でカリフォルニアの病院で出生した5144849人の乳児
・日齢15日未満で光線療法が行われた児および日齢61-365で悪性腫瘍と診断された児を特定
・日齢15日未満で光線療法が行われた児および日齢61-365で悪性腫瘍と診断された児を特定
結果
・13.9%で黄疸の診断が記録されており, 3.5%(178017人)が光線療法を受けていた
・光線療法の利用は年とともに増加していて, 1998年の2.9%から2007年の4.4%まで上昇していた
・光線療法を受けた児のうち85%は黄疸と診断されていた
・悪性腫瘍を発症した児:
・光線療法を受けた小児: 58/178017
・光線療法を受けていない小児: 1042/4966832
・光線療法を受けた小児の悪性腫瘍発症の相対リスク(RR)は1.6
・それぞれのRR:
・骨髄性白血病: RR 2.7
・腎臓の悪性腫瘍: RR 2.7
・その他の悪性腫瘍: RR 1.7
・propensity-adjusted分析により以下の腫瘍と光線療法とに関連性が認められた:
・悪性腫瘍全体 (調整オッズ比[aOR 1.4]
・骨髄性白血病 (aOR 2.6)
・腎臓の悪性腫瘍 (aOR 2.5)
・光線療法後の悪性腫瘍のリスク上昇のmarginal propensity-adjusted絶対リスクは9.4/10万(number needed to harmは10638)
・Down症候群の乳児ではnumber needed to harmは1285であったまとめ
・新生児黄疸に対する光線療法は1歳までの悪性腫瘍発症リスクをわずかに上げるかもしれない個人的感想
・光線療法による悪性腫瘍発生リスクはあったとしても極めて低く, 光線療法によるビリルビン値を下げることの有益性を考慮すれば, 光線療法の使用を制限するものではない.・ただし光線療法はノーリスクとは考えず, 適応のある患者を十分考慮した上で選択すべきであろう
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