2017年9月7日木曜日

細菌性髄膜炎における脳MRI所見

Brain Magnetic Resonance Imaging of Infants with Bacterial Meningitis.
J Pediatr 2014; 165: 134-9

細菌性髄膜炎の乳児の脳MRIの結果と所見がどのように臨床的管理に影響したかを調べた研究
・DallasChildren’s Medical  Centerに入院し, 培養で確定した細菌性髄膜炎に罹患し, MRIが施行された12か月未満のすべての乳児が本研究で対象となった
・脳室腹腔シャントのある児やCSF培養から皮膚常在菌が培養された児は除外した
・臨床的情報を知らない神経放射線科医がすべてのMRI検査をレビューした

結果
CSF培養結果陽性の児440人のうち, 111(25%)CSFから病原体が分離され本研究に登録された
 登録された児111人の年齢の中間値は78±79, 57%(n = 63)は男児で, 77% (n = 86)は正期産児であった

・培養で確定した髄膜炎の児の50%のみが診断時に血液培養陽性であった

・それらのうち68%(75/111)が入院中に脳MRIが施行された
・MRIの異常所見としては以下のものが挙げられた:
 ・軟髄膜増強(57%)
 ・脳梗塞(43%)
 ・硬膜下膿瘍(52%)
 ・脳炎(26%)
 ・水頭症(20%)
 ・膿瘍(11%)
・硬膜下膿瘍の症例では以下の菌が分離された:
 ・B群溶連菌(44%)
 ・S pneumoniae (26%)
 ・E coli (18%)
 ・H influenzae, Enterobacter spp. (各3%)
・多変量ロジスティック回帰分析により遅発性のてんかん発作および神経学的診察での異常MRI異常がある症例の可能性が高かった(P < .05)
・MRI結果により児の23%で神経外科的介入が行われた;
 ・抗菌薬治療開始後48時間以降で得られたCSFの細菌培養陽性は神経外科的介入と関連していた(P = .01)
・細菌性髄膜炎の児14(19%)は脳MRI正常であった

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