2017年9月22日金曜日

小児慢性便秘における治療的選択肢としての牛乳フリー食

Cow’s-milk-free diet as a therapeutic option in childhood chronic constipation.
J Pediatr Gastroentend Nutr 2010; 51(2): 171-6

小児慢性便秘における牛乳フリー食による治療を評価したopen-label cross over研究
Rome III基準を満たした小児が対象
・牛乳フリー食に反応した患者(R group)と反応しなかった患者(NR group)とで比較した





結果

・患者69人のうち, 35(51%)が初回の牛乳フリー食の期間中に改善した
・35人中8人が牛乳を再導入した時に便秘を発症しなかったが, 27人(39%)は牛乳負荷中に便秘を発症し, 2回目の牛乳フリー食の期間中に改善した
34(49%)が初回の牛乳フリー食の期間中に改善しなかった
1週間あたりの消化管運動はNR groupと比較してR groupで有意に増加していた
発達遅滞のある小児の78%は牛乳フリー食に反応した
免疫グロブリン, IgG, 総IgE, 牛乳蛋白に対する特異的血清IgEなどはいずれもR groupとNR groupとで統計学的有意差はなかった






まとめ

・小児の慢性便秘患者の一部では牛乳を除去することにより便秘が改善した




個人的感想

・牛乳と言えば, どちらかというと「おなかを壊す」イメージがあり, 下痢などの原因としては挙げられやすいが, 逆に便秘を引き起こすこともある
・牛乳の除去することによって便秘が改善する児がいるが, 特異的IgEなどで有効性を予測することは困難であるので, 慢性便秘がある児では時に試してみてもよいかもしれない

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