2017年8月10日木曜日

発熱と頸部リンパ節腫脹を主訴とする川崎病の特徴

Lymph-Node-First Presentation of Kawasaki Disease Compared with Bacterial Cervical Adenitis and Typical Kawasaki Disease.
J Pediatr 2013; 162(6): 1259-63.e2

リンパ節腫脹が初発症状の川崎病(NFKD)と頸部化膿性リンパ節炎(BCL)とを鑑別するため, それぞれの特徴を調べる目的の前方視的研究




結果

・対象はNFKD 57人, BCL 78人
・BCLの患者と比較してNFKDの患者では以下のような特徴がみられた:
 ・年齢が高く, 診断に至るまでに受けた診察の回数が多く, 罹病期間が長い
 ・白血球数, Hb値, 血小板数が低い
 ・桿状型好中球数(ABCs), CRP, ALTγ-GTP赤沈が高い
・多変量解析では以下の項目とNFKDに関連がみられた: 小さなリンパ節腫脹, 低い白血球数, 高いABCsCRP
NFKD患児では多発性に腫脹した充実性リンパ節と同程度の後咽頭浮腫を認めた





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Cervical ultrasound and computed tomography of Kawasaki disease: Comparison with lymphadenitis.
Pediatr Int. 2016; 58(11): 1146-52

川崎病(KD)と頸部リンパ節炎の鑑別のための超音波検査(US)とCTの所見についての評価を目的とした後方視的研究




結果

US
・それぞれの患者25人が対象
・頸部リンパ節炎の患者と比較してKD患者では以下のような特徴がみられた:
 ・"ブドウの房"外観が多い(64% vs 32%)
 ・辺縁不整が少ない(0% vs 36%)
 ・壊死が少ない(0% vs 32%)
 ・リンパ門の非視覚化が少ない(4% vs 36%)

CT
・それぞれの患者14人が対象
・頸部リンパ節炎の患者と比較してKD患者では以下のような特徴がみられた:
 ・咽後浮腫が多い(100% vs 29%)
 ・level 4のリンパ節腫脹が少ない(14% vs 79%)




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Early diagnosis of Kawasaki disease in patients with cervical lymphadenopathy. Pediatr Int 2008; 50: 179-83

発熱と頸部リンパ節腫脹のみの川崎病の早期診断のための指標を調べた研究




結果

・KD患者は14人が対象となり, 発熱とリンパ節腫脹を認め抗菌薬治療で改善した患者24人がコントロールとなった
・コントロールと比較してKD患者では以下のような特徴がみられた:
 ・年齢が高い
 ・好中球数, CRP, ASTが有意に高い
・以下のうち3項目以上満たす場合, KDの診断において感度78%, 特異度100%であった:
 ・年齢 5歳以上
 ・好中球数 10000/μL以上
 ・CRP 7.0mg/dL以上
 ・AST 30IU/L以上



まとめ

KDは早期診断が重要となるが, 発熱と頸部リンパ節のみを認める患者では頸部リンパ節炎との鑑別が困難となりえるため, 診断が遅れる可能性がある
疫学, 症状, 臨床検査, 画像検査のいずれでも有用となりえる指標があるため, それらを総合的に判断する必要はあるが:
・年齢が高い
・好中球数が多い, CRP高値, トランスアミナーゼ値上昇
・超音波検査での多発性の充実性リンパ節腫脹とCTでの咽後浮腫
を認める場合には特にKDの診断は積極的に考慮すべきだろう

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