2017年8月10日木曜日

小児における後頭部の頭痛と頭蓋内病変

Occipital headaches and neuroimaging in children.
Neurology 2017; 89(5): 469-74


後頭部の頭痛を認める18歳未満の小児患者を評価した後ろ向き研究

・頭痛で大学の小児神経外来へ紹介された18歳未満の小児患者が対象
・神経学的診察で異常が指摘された患者は除外




結果

・対象は308人で, 年齢の中間値は12(32か月から18), 57%が女性
・後頭部のみの頭痛は7%, 後頭部とその他の頭痛は14%でみられた
・120人(34%)が片頭痛の診断基準を満たし, さらに120人で片頭痛が疑われた

神経画像検査
・205人で神経画像検査が施行され, 179人(87%)では異常所見はみられなかった
・主な異常所見: 副鼻腔炎(23人), 良性嚢胞(13人), Chiari奇形I型(6人), 異所性小脳(3人), 脳腫瘍(2人)
・後頭部の頭痛のない患者と比較して後頭部の頭痛のある患者では有意に神経画像検査を施行される割合が高かった(後頭部のみ95%, 後頭部+その他88%, 後頭部なし63%)
・後頭部の頭痛は臨床的に意義のある頭蓋内病変の放射線学的所見と有意に関連しなかった




まとめ

・頭痛が後頭部にみられた場合には画像検査が行われる頻度が高かったが, 小児の後頭部の頭痛と頭蓋内病変との間で関連性はなさそうである.
・したがって頭痛の部位が後頭部というだけで画像検査の必要性が高まるわけではない.

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