2017年8月29日火曜日

小児におけるアナフィラキシー再発の危険因子

The Risk of Recurrent Anaphylaxis.
J Pediatr. 2017; 180: 217-21


小児におけるアナフィラキシーの再発率や危険因子を調べた研究
・カナダの3か所での救急外来で診断されたアナフィラキシーの小児患者の前向きに分析した研究




結果

20114月から20142月までの間で292人の小児がアナフィラキシーにより治療を受けた
 ・そのうち200人では少なくとも1年の経過を追うことができた
・経過観察できた児の年齢の中央値は4.7歳
・経過観察中に47人の患者で計65回のアナフィラキシーが発生した
 ・1年でのアナフィラキシーの再発率は17.6%
 ・再発回数と人数: 35人が1回, 7人が2回, 4人が3回, 1人が4回
・再発のみられた患者は再発のみられなかった患者と比較して喘息を有する割合が高い(39.1% vs 17.6%)
・初回のアナフィラキシーの原因のうち97.6%が食物であり, 再発時の原因のうち84.6%が食物であった
・再発の69.2%が中等度と分類されていた
・再発時, 66.2%の症例でエピネフリンが使用され, 50.8%の症例では医療施設外で使用された
・医療施設に運ばれた患者の77.4%では, 病院到着の前後いずれかでエピネフリンが使用されていた


再発の危険因子
・以下の項目でオッズが上昇していた:
 ・喘息(ハザード比[HR] 1.94)
 ・初回のアナフィラキシー時のエピネフリンの使用(HR 2.22)
 ・アナフィラキシー反応のトリガーが食物(HR 11.44)
・ピーナッツによって初回アナフィラキシーが引き起こされた患者では再発率がより低かった






まとめ

・小児のアナフィラキシーの既往のある患者において, 喘息の存在, アナフィラキシーの原因が食物, 初回のアナフィラキシー時のエピネフリンの使用がアナフィラキシー再発の危険因子であった




改訂
・2018/3/20: 一部追記

0 件のコメント:

コメントを投稿