2017年8月30日水曜日

小児における発熱の管理 - イタリア小児科学会 2016年改訂のガイドライン

2016 Update of the Italian Pediatric Society Guidelines for Management of Fever in
Children
J Pediatr 2017; 180: 177-83



要約


・解熱薬は児の不快感をコントロールする目的で投与されるべきである
・解熱薬は経口で投与されるべきである; 直腸投与は嘔吐がある状況を除いて推奨されない
リスクと有益性を考慮してパラセタモールとイブプロフェンの組み合わせの使用は推奨
されない
・予防接種が行われた小児における発熱と局所反応の発生率を低下させるための前もって
の解熱薬の投与は推奨されない
・小児における熱性けいれんの予防目的での使用は推奨されない
・既知のパラセタモールや非ステロイド抗炎症薬誘発性喘息の症例を除いて, イブプロフェ
ンとパラセタモールは喘息のある発熱している小児で禁忌ではない

(ちなみにアセトアミノフェンとパラセタモールは同じものです)


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日本では経験的にアセトアミノフェン坐薬が解熱薬として用いられる頻度が高いと思います。
イタリア小児科学会での小児における発熱の管理のガイドラインは2009年に作成されて以来, 経直腸投与よりも経口投与を推奨しています(Clin Ther. 2009 Aug;31(8):1826-43). 経直腸投与は吸収がより緩徐で不安定であること(Can J Anaesth. 1995 Nov;42(11):982-6)から経口投与が好まれていると思います.
しかし, 2008年のメタアナリシスでは経口投与と経直腸投与の効果は同等であったとされています(Arch Pediatr Adolesc Med. 2008 Nov;162(11):1042-6)

従って, 現時点ではいずれの方法でも、児の不快感をコントロールする目的においては大きな差はないかと考えています.
ただ, その他の研究結果などを勉強してさらに検討する必要はあります.

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